嶋大輔が「江戸嬢」で豪遊? 江戸城ならぬ”嬢”とは
”エドジョウ”。その響きは、徳川幕府、将軍様の”江戸城”のことを普通は表すが、この番組の場合は”江戸嬢”というらしい。今回は、そんなTOKYO MXの深夜番組『江戸嬢』にツッコませていただきます。
番組でいう”江戸嬢”とは、東京(江戸)の夜のお店で働く女性たち=”キャスト”のことと定義づけている。平たくいえばキャバ嬢やホステスのこと。「テレビ史上初のキャスト応援バラエティー」(番組より)なのだそうです。
番組冒頭、「豪華絢爛、百花繚乱、江戸の夜を彩る町娘! 江戸嬢!」というナレーション。これも「キャスト」によるもので、「キャスト3人がナレーターに挑戦中」というテロップが。そのナレーションは基本的に棒読み。古くはおニャン子など、素人っぽさを前面に出す良さもあるだろうから、これはしょうがないか。オープニングナレーションは続く。
「世の男性たちを癒やし、楽しませる存在のキャストたちも、仕事に悩み、恋に悩み、夢に向かってがんばっているのです(棒)」
本編は、複数のお店の売れっ子キャスト9人が2段に並ぶ、「ひな壇」スタイル。派手目の女性が並び、画面に向かって左側がMC席ということで、パッと見「から騒ぎ」スタイルに近い。MCを担当するのが嶋大輔、アシスタントが山崎まさや(元ジョーダンズ)という、ベテラン陣ではあるが、微妙に安い組み合わせな感じではある。
4月21日の放送回では、まず「キャストの夢を応援する 夢のつぼみ育成プロジェクト」というコーナーが始まった。これは「お嫁さん」「メイクアップアーティスト」「飲食店経営」など、9人それぞれの夢の実現を番組内で応援していくという企画らしい。今回はタレント志望のキャストにスポットを当てるのだが、メンバー内で32歳と最年長の彼女の紹介ナレーションが、こんなだった。
「明らかに残されたチャンスも少なく、それだけに夢に対しても貪欲なんです(棒)」
綺麗なライティングを当てて、キラキラした効果音もかぶせてもらってるが、ナレーション、微妙に失礼だな。
MC側の二人はさすがベテランといった感じで、トークを盛り上げるのだが、MCとキャスト1対1では盛り上がるものの、トークをしているキャスト以外、あんまり笑わないのはなぜか。みんな、シュッとして綺麗に座っている。大声で盛り上がったりすると安っぽくなっちゃうのでしょうか。不思議な空気だ。この男性側の一生懸命盛り上げ感が、なんだかMCというより、何人もつけて豪遊してる客みたいにも見えるのは、気のせいか。でもそれがお店の空気をかもしだす「ライブ感」狙いの演出だったらすごいけども。
そして、番組中盤、唐突に「Ve.ナース」というVTRのミニコーナーが始まった。胸元の大きく開いたナース風のコスチュームに身を包んだ6人の女性(こちらはキャストではなく、グラビア系タレント)が登場、「魅惑的なコスチュームに身を包み日本を元気にする、不況時代の救世主」なんだそうです。
Ve.ナースが今回現れたのは、タレントの矢部美穂姉妹とお母さんが経営するお店。なんとなくチープなポコポコしたBGMにのって、相談者である矢部家の次女・美佳が登場。
「矢部美佳さんのお悩みとは?」
「酔ってしまうと(ピーーーー)なんです」
「(Ve.ナース、声をそろえて)え~~~っ(やはり彼女たちも”棒”だった)」
そして、「次回、その理由が明らかに!」
ええええっ!? 終わっちゃった! 解決編を引っ張るどころか、相談内容すらピー音で分からないままだ。どうする。次回も見るのか。どんな相談だったんだろうと、1週間ハラハラ感を持つべきなんでしょうか。見るの忘れそうだけど。
綺麗なキャストたちの素顔的なものに触れられ、「もし気に入ったらお店に行けば会えるわけだから」と嶋大輔も言っていたが、そんなリアリティーもある。江戸嬢たちの棒ナレーションも含め、手作り感溢れるいい味の番組なのかもしれません。
番組ラスト、エンディングテーマとして嶋大輔の曲(『男の勲章』ではなくバラード曲)が流れてきたのに不意をつかれて爆笑。なんというか、サイコーでした。
(太田サトル)
『男の勲章』ラップver.もあるって!
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