「セルフレジ」って、万引きとか犯罪につながりませんか?
気になって仕方がない素朴なギモンを直接企業に聞いてみよう、という本連載。
スーパーに買い物に行くとよく見かける光景がある。「大行列」である。夕飯時などは4~5分待たされることもあり、ちょっとしたイライラが募ってくる。あの時間は何をすればいいのだろうか? 読書をするわけにもいかず、頭を空っぽにするしかないのか? あの時間は虚しい。
さらに、ここ数年で急激に増えた「セルフレジ」である。行列ができているにも関わらず、誰かが使っているのを見たことがない。やはり「面倒くさい」の気持ちが勝ってしまうのだろう。それにしても、セルフレジとはお客さんを100%信頼したシステムである。万引き的や未成年が酒を買おうと思えば、いくらでもできる気がするのだが……。近所のスーパーでそんな事件は起きてほしくない! そこで大手スーパー「サミット」お客様サービス室に直接、聞いてみた。
「セルフレジが犯罪につながらないか、心配じゃないですか?」
担当者(女性) レジでは「アテンダント」という者が4台のレジに1名、必ずついております。
――1人で4台のレジを監視しているということですか?
担当者 そうですね、実はアテンダント用のレジがございまして、そちらのレジ画面を確認しながら、年齢確認商品などが登録されたことなどを確認させていただいています。
そんな人がいたのか。全く気がつかなかった。万引きGメンならぬ、レジ専用Gメンとでも呼ぶべき存在である。
――ということは、万引きなどの犯罪は起こらないのですか?
担当者 起こりにくい、状況でございますね。
――セルフレジは、そもそもコスト削減で始めたものなのですか?
担当者 そういう理由もございますけど、お買い上げ品数が少ないお客様で、レジにお並びになる時、かなりお待ちになるという状況がありますよね。そういう買い物の数が少ない方には、セルフレジをご利用いただける、というのが目的となっております。
そういうことだったのか。経費削減よりも、お客のことを考えてのことだったのか。それにしても、誰も使っていないような気がするのだが……。その主な理由は値段だと思う。「自分でレジをやっているのに同じ値段? だったらサービスを受けた方が得じゃないか!」そんな理由で少ない買い物でも有人レジを使う人は多いはずだ。そこで、こんな提案をしてみた。
――客の負担も考慮して、セルフレジを利用すれば、多少の割引にするというサービスをすれば、もっと利用者が増えると思うのですが。
担当者 その部分につきましては、当社におきましてはそういった考えはございません。
きっぱりと断られてしまった。話を聞けば聞くほどセルフレジの存在価値がよく分からなくなってきてしまった。
――ちなみにセルフレジはどれくらい好評なんですか?
担当者 最初の頃は、まだセルフレジそのものが浸透しておりませんでしたので、あまりご利用のお客様がいらっしゃらなかったんですけども、今はイオン系さんのスーパーなどでもドンドン導入されておりますので、かなり浸透してきています。
――どうもありがとうございました。
担当者 はい、はい、はい! ありがとうございます!
最後になってテンションが上がり「はい」を3連呼したのはかなりの謎だが、セルフレジが発展途上なことは分かった。今度から、ちょっとした買い物はセルフレジを使ってみよう。適度な手の運動になりそうだ。
「セルフレジは健康に良い」
スケール感ゼロのダイナミックな結論がいきなり生まれてしまった。すみません。
引き続き、皆さんの素朴なギモンを募集中です。ディープでインパクトのある、くだらないギモンをお待ちしています。
(酒平民 林賢一)
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