話すほどに徹子の餌食になった、上原美優とかつみ・さゆりの貧乏トーク
今回は、上原美優(3月22日放送)と、かつみ・さゆり(3月26日放送)と、徹子の大好物「貧乏」「借金」ネタが立て続けにやってきた『徹子の部屋』(テレビ朝日系)にツッコませていただきます。
これまでも麒麟・田村裕に「あなた貧乏なのに、バスケやってたの!?」などと暴言を吐くなど、徹子は貧乏・借金に異常なほどの関心を示してきたのだが、今回はのっけから吹き出しっぱなし、笑いっぱなしで、お得意のなめらかなトークが途切れがちになるほどだった。
「大家族貧乏アイドルっていう、ぶっフフ」「ご兄弟が10人いて、お父さんお母さんがいて12人家族で、んふふっ、家が種子島観光コースにも入ってるっていう、ぶっ、これ笑いながら言っちゃいけないけど、相当楽しい家族。んふっふっ……」
事前にゲストのプロフィールなどを念入りに読み込んでくる仕事熱心さ・真面目さのせいなのか、それとも単に野次馬で無邪気なせいなのか、聞きたい話が多すぎるらしく、早口でせっかちに、前のめりで「貧乏話のあらすじ」を話しまくる徹子。
「10人も兄弟いると、いろんなところで生まれるけど、あなた、パチンコ屋で生まれたんだって? ブッふふ」
「赤ちゃんがじゃなくて、パチンコの、どんどんタマが出てるから、お母さんが頭おさえこんで、それで、ブッ、んふふっ。駐車場で生まれちゃったんですって?(笑) それで、お父さん、もう慣れてらっしゃるんですって? んふふっ」
「くみとり式のトイレで、普通ならおっこっちゃうところ、お父さんがキャッチしたんですって? ふっふっふっ」
徹子のあいづちは終始「んふっふ」「ぶふふぅ」「んっふふぅ」などと吹き出し調。さらに上原美優が大家族のあたたかいエピソードをしても、徹子は「まあほんとにねえ」などと上の空で、早々に話をたたんでは、また一言。
「ということで、まだまだあります、大変な大変な、でも楽しそうな話がっふふふ。家の中で雨漏りするんですって? んふふふ」
上原美優のふわっとしたトークをせっかちに遮り、「要約」しては「笑い話」に戻していく荒業である。
続いて、「かつみ・さゆり」が出演した回。「借金で有名な夫婦です」という文字がずっと画面に出続けているのも異様な感じだが、かつみが持ちネタと借金話をからめて、「ショックでショックでピーッ!」とおどけてみせると、それには全くノらず、冷静に一言。
「あら、相当ですねえ。それ、あんまりおやりにならないでしょ?」
しかも、哀れに思ったのか、自分の頭の中から飴を出して二人にあげ、「それよりも! ご主人様は借金があることで非常に有名で」と興味の方向に戻していた。
かつみの「借金返済ドリーム計画」の失敗の数々を楽しそうに聞き、ときに「成功例はないんですか?」などと無邪気に尋ねて、最終的には「バブルで儲けて、はじけて借金になっちゃって、怖いねー♪」と高い声でさゆりのモノマネまでし始める、ノリノリな徹子。
ユニセフ親善大使として活動する「黒柳徹子」という人と、貧乏話を無邪気に笑って前のめりに聞く『徹子の部屋』の人――まだまだ謎の多い超人です。
(田幸和歌子)
貧乏なんて笑い飛ばしてナンボです
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