愛子さまいじめ問題よりも怖い、メディアの陰湿さ
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の”欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
第19回(3/4~3/9発売号より)
共同通信社が行った世論調査「総理にふさわしい人」が発表されたが、自民党の舛添要一参議院議員がダントツトップ! ホンマかいな。あの人をそんなに支持してる人がいるなんて。まあ、麻生太郎さんも安倍晋三さんも首相になる前は「国民的人気者」なんて賞賛されてたことを思えば、大騒ぎすることもないか。
1位「愛子さま前代未聞の不登校――『イジメ』の真相」(「週刊女性」3月23日号)
2位「宮里藍 硫酸脅迫乗り越え勝ちに行く『メンタル呪文』」(「女性セブン」3月18日号)
3位「衝撃スクープ 戦慄の食肉パンダ」(「女性自身」3月23日号)
さすがは”皇室御用達”の女性週刊誌! 3月5日の宮内庁会見以降、皇太子長女愛子さまの不登校問題がメディアをにぎわせているが、「週刊女性」の表紙には「愛子さま――」の文字が大きなスペースを陣取り、デカデカと踊っている。久々の皇室ビッグネタだものね。リキんじゃうよね。
でも、この問題ってそんなに大騒ぎすることか? 小学2年生の高貴な女の子が、やんちゃな男の子の振る舞いに恐怖心を抱いて、腹痛を訴え学校に行けなくなる。世の中には、はいて捨てるほどよくあることだ。しかもたった4日間で、そのことを会見で公にする。周りの大人がアホすぎ。学校と保護者側が話し合いを続けて解決すればいいことだ。
確かに以前から名門校・学習院の学級崩壊は週刊誌でも取り上げられていた。愛子さまとは別の学年では傷害事件も起こったのだとか。ってことは生徒たちの問題より、指導する側の問題でしょ。
授業中に歩き回るなど、問題行動を起こす子どもたちが表面化して久しい。イジメも低学年化している。そんな事情があるから、親は必死に子どもを私立に行かせようとお受験に励む。でも今回分かったことは、名門私立学校もダメじゃん、という現実だ。
既にメディア関係者は愛子さまに”乱暴”を働いたとされる男児を特定、周辺を取材している。男児がどんな子か、親の職業は、といったことに目を向けるメディアの論理は、暗い世相を体現しているかのようで、こちらも暗い気分になる。問題の”担当教諭”も標的になるだろう。下々の荒波は、イジメよりもっともっと高いかも。
そんな皇室のイジメ問題に騒ぐ世間だが、この問題が発覚する以前に発売された「女性セブン」は奇遇にも、”あいちゃん”つながりのプロゴルファーの宮里藍のイジメ問題を取り上げていて興味深い。
先日発表された女子ゴルフの最新世界ランキングで、自己最高位を更新した前週と同じ3位だった藍ちゃんだが、そんな彼女もこれまで数々のイジメを受けてきた。小学6年生のときは「いじめがつらくて、学校にいきたくない」と父親に手紙を書いた藍ちゃん。プロになると更衣室に置いていたゴルフ用の傘骨が折られたり、握手を拒否されたり、硫酸で危害を与えるという脅迫まで受けた藍ちゃん。イジメだけでなく、一時は長いスランプに陥った藍ちゃん。そんな藍ちゃんがそれら困難を克服したのは、周囲の協力と一打ごとに「ハッピーか?」と呪文のように繰り返すメンタルコーチの存在だったという。
普通だったら別にどうってこと記事だが、愛子さまイジメ問題の渦中にあっては、心温まる素晴らしい話だと思ってしまった。ナイスタイミングの「女性セブン」である。
考えてみると、ここ最近大した芸能ネタってないんだよね。だから女性週刊誌もネタ枯れ。だから3位はパンダ。
上野動物園に久々にパンダが帰ってくる。パンダ人気は絶大で集客力を期待されてのことだが、「女性自身」の巻末グラビアを飾るこのパンダは、そんなかわいいパンダじゃない。
いかにも獰猛そうな面構えをしたパンダが中国・四川省の民家に押し入り、何か肉片をむさぼっている姿だ。傍らには人の足のようなものが。人食? いや、そうではなく豚肉の塊を食べてるんだって。
パンダといえば笹に代表されるように草食というのが常識だが、食料不足で肉食になってしまったのか? 衝撃スクープと銘打っているだけあって、本当に衝撃的です。こういう企画、結構好きかも。一見の価値ありです。
飾ってる場合じゃないじゃん!
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