至急コスメの事業仕分けを! 深刻化する女子の「薄毛」問題
最近、美容企業関係者の中で話題になっているのが、「若い女性の薄毛問題」だ。美容院で髪型をどのようにするか、という相談以外に、「薄毛」「髪の毛のハリ」といった相談が増えているという。
仕事柄、電車に乗ったときなど女性のメイクや髪型をチェックしてしまうのだが、明らかに「女子の頭皮がオジさん化」している。メイクは完璧なのに、視線をちょっと上に移すと、頭皮が荒れていたり、髪の毛が薄い・細いなど、おでこから上の年齢が明らかに高い。
どれほどメイクが完璧でも、顔がしっかり”決まって”いても、髪の毛に元気がないと、一気にバランスが崩れてしまう。”美しさ”を追求する女性にとって今後大きな問題になりかねない、「薄毛」について考えてみたい。
■「大丈夫」と思っている人ほど、チェックする習慣を
薄毛の原因は、仕事や人間関係のストレスに加え、パーマやカラーリング、合わないヘアケア剤の使用などが考えられる。実は、このような頭皮の悩みが増えているということを裏付けるように、コスメ系口コミサイトのランキングに男性用の「サクセス」や「頭皮洗浄用ブラシ」が入ってきている。
ここ数年、女性の薄毛問題はずっと指摘されていたことだが、こういった現状を見ると、いよいよ深刻になっていきていると思う。なかなか自分の頭皮を見ることはないかもしれないが、「自分は大丈夫」と思っている人こそ、鏡で頭頂部や生え際をチェックすることを習慣化してほしい。
■アラフォー世代は諦めてウイッグ作戦!?
女性は38歳をピークに女性ホルモンの影響で、髪のハリ・コシの低下や頭皮の問題が表面化しやすくなってくる。それゆえ、美に貪欲なアラフォー世代の女性誌では、「ウイッグを使ったボリュームアップ作戦」が多く特集されている。もちろん、加齢による衰えや、もともと頭皮が弱い人にとっては、ウイッグで華やかに自分らしく日々を送れるのだったら、使う価値は大いにあるだろう。
ただ、まだ髪の毛を”救済”できる人たちにとっては、地道ながらも今までのケア方法を見直したり、ヘアケア用品を変えてみる、マッサージなどの方法を取り入れて少しずつ頭皮の健康を取り戻していくことが一番の美髪への近道といえる。
今までは、カラーリングやパーマなど、どのように美しく見せるかという「擬似的な美」が求められていたが、「薄毛問題」を機に地肌ケアをしっかりして健康な髪を育てる「根本的な美」に目が向けられているのだと思う。だからこそ、来たる「髪の曲がり角」も「お肌の曲がり角」同様に気にしながら日々のケアを大事にする必要があるのだ。
■コスメの事業仕分けをして頭皮ケア費を捻出!
ところで、皆さんは月々コスメにいくら使っているかを把握しているだろうか。思いつくまま紙に書いてみよう。その中で何にいくら使っているのか、①スキンケア②ヘアケア③ボディケア④メイク品、と4つくらいのカテゴリーに分けてみる。
一番ヘアケアが安かった人は、他のカテゴリーの金額を少し減らしてでもヘアケアにかけたほうが良い。薄毛になったらからといって、すぐに改善できるものではない。効果が表れるまでには、それ相応の時間と手間がかってしまう。だからこそ、そうなる前に自分の美容費の中から捻出してケアをしておく必要がある。いわば将来の自分への予防美容費と考えて良い。
逆にアイシャドーやマスカラなどの色物は、プチプラで発色の良い商品も数多く出ているので十分にまかなえる。特にアイシャドーや口紅はシーズンごとに新色がでて、広告などを見るとついつい買いたくなってしまうが、安いとはいえ無駄は禁物。本当に使える色か、持っているものと似ていないか、などよく吟味してから購入することをおススメする。また、合わない色身があったら友達同士で交換しても良いだろう。
不況に強いといわれていた化粧品でさえ売り上げが低迷している今の時代だからこそ、ビューティにも知性が必要だ。何にお金をかけて何を削るのか。この考え方はライフバランスにも通ずること。身近なコスメを通して、人生の無駄を削ぎ落とし有効に時間やお金を使える思考回路を身に付けられたら、こんなハッピーなことはない。賢くて美しい女性がもっともっと増えることを願っている。
恩田 雅世(おんだ・まさよ)
コスメティックプランナー。数社の化粧品メーカーで化粧品の企画・開発に携わり独立。現在、フリーランスとして「ベルサイユのばらコスメ」開発プロジェクトの他、様々な化粧品の企画プロデュースに携わっている。コスメと女性心理に関する記事についての執筆も行っている。
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