『ちい散歩』の世界を根底から台無しに? 寺門ジモンの食通イズム
今回ツッコませていただくのは、『ちい散歩』(テレビ朝日系)に出てきた寺門ジモン。
1月8日より「いいものさがし ちい散歩くらぶ」の姉妹編として、金曜に「いいもの探し 寺門ジモンのウマすぎて御免」というコーナーが登場しているのだが、冒頭で『ちい散歩』おなじみの静かでのんびりしたナレーションが、いつになく妙なことを言う。
「子どもの頃、美味しいもの食べたさに、お母さんの料理が気に入らず、家出もしたことがあるという、生まれながらの食通・寺門ジモンさん」
これって美談!? ジモンは確かに食通なのだろうし、彼の紹介するものは、そりゃあまあ本当に美味しいのだろうけれど、そこはぜひお母さんにはキッパリ言ってほしかった。
「ガタガタ言わずに、さっさと食え!」と。
ウンチクをうるさく語らず、こだわらず、グルメを追求したりしないのが、『ちい散歩』の良いところではないだろうか。
こだわり抜いた食材や、贅を尽くした料理よりも、揚げたてのコロッケを歩きながら食べるリアルな美味さ。
「かぁ~うまいね、こりゃ」「アリだな」
江戸っ子のような喋りで、率直な感想を言うちいちいには、うっかり「一口くれ」と言いたくなってしまうが、ジモンのウンチクには「もういいから早く食わせてくれよ」と言いたくなる。
ジモンの「ウマいモノ」感と、ちいちいのソレって、根底からだいぶズレがある。
ところで、皮肉なことに、2月26日放送分では、このコーナーの終了後、再放送として流れたコーナー「昭和の風景を求めて 懐かしい味・鯨」に登場した料理人が、ジモンスタイルと真逆の発言をしていた。
「食べないってのはありませんでしたね。だって、昔は食べないと、オヤジにぶん殴られたでしょう。残すってことはあり得ないんだから」
「そうそう」と深く頷くちいちい。
ジモンのコーナーは、『ちい散歩』の軒を借り、結局、番組で紹介した食品の通販につなげていくビジネスとして必要なのだろうけれど、ちいイズムとは方向性がまるで違う。
ダチョウ倶楽部でも1人だけなんだか違うし、『ちい散歩』でもなんだか違うジモン。それでも、「食べるために生きる男」「生まれながらの食通」の彼にとっては、そんなことどうでも良いのかもしれません。
(田幸和歌子)
『寺門ジモン 降臨! 肉の神様(自称) 疑う前に食べなさい (Lightning Books) 単行本』
コロッケでも肉でもいいよ、うまいもんが食べたい
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