実力あるゆえ使いづらい? 流浪の芸人化するガレッジセール
今回ツッコませていただくのは、1月26日放送分『リンカーン』(TBS系)に「説教先生」として出演したガレッジセール。
同コーナーではこれまで出川哲郎、ブラマヨ、アンタッチャブルなど、様々な芸人が登場してきたが、大先輩・ダウンタウンを前に委縮してしまうパターンが多く見られるなか、ガレッジセール(とくにゴリ)は終始、攻め続け、見事な貫録を見せつけていた。
ダウンタウン・浜田雅功に生のゴーヤーをかじらせ、「苦い」と涙ながらに文句を言えば、「苦みをとってやる」と自らの口の中でご丁寧に咀嚼したゴーヤーのクズをムリヤリ食べさせ、しまいには号泣させてしまう乱暴さ。
また、「ブタのエキス」をさまぁ〜ず・三村マサカズの鼻先に塗り付け、あまりの臭さに顔面崩壊(妖怪化!)させてしまっても、ケロリとしている。
リンカーンメンバーに対して、全く臆さず、こんな傍若無人な笑いを無表情でやれる芸人は、そうそういないのではないか。
喋りはうまいし、機転・アドリブもきくし、知名度もある。仕切りもできる。
『アメトーーク』(テレビ朝日系)にゲストとして登場することも多いが、MCの雨上がり決死隊よりも明らかに気がまわり、素早いテンポでソツのないコメントを放っている。
だが、逆に、この器用さが現段階では「器用貧乏」のようになり、彼らの仕事の幅を狭めているのではないだろうか。
というのも、昨年9月に人気番組『アドレな!ガレッジ』(テレビ朝日系)が終了し、また、同月に1999年より10年間も出演してきた『笑っていいとも!』(フジテレビ系)も卒業した彼ら。それ以降、レギュラー番組を持たず、もっぱらゲストとして様々なバラエティー番組に登場しているのだが、これまで冠番組もいくつも持っていただけに、彼らが出ると、良くも悪くも「スペシャル感」が出てしまうのだ。
また、デビュー後すぐに売れた「エリート」だけに、キャリアのわりに中堅のような貫録があり、司会の芸人よりも目立ってしまう。
多くの芸人が通る「NSC」を経ることなく、渋谷公園通り劇場のスタッフ経験を積み、芸人になったという異色の経歴を持つだけに「同期」というものがなく、いわゆる「松本軍団」、その小型版「千原ジュニア軍団」に所属していないことなども、「実力があるのに使いづらいポジションの芸人」にしてしまった要因ではないかと思う。
かつては『水10!ワンナイR&R』(フジテレビ系)などで国民的な人気者となったにもかかわらず、このところのガレッジセールといえば、様々な番組に沖縄コスプレをして登場し、沖縄のことを沖縄の言葉で喋り、まるで「沖縄」だけを武器とする一発屋芸人のようにふるまっている。U字工事に刺激を受けたのか? と思うほどに。
しかも、悲しいかな、世界のナベアツ、雨上がり決死隊、ココリコ田中と組んだ(※後に山下しげのりが加入)竹馬アイドルユニット「紫SHIKIBU」の仕事も、最近、テレビにプロモーションで来るのは「3の倍数でアホになりすぎた」ナベアツと、ゴリの2人だけ……という状況を目にするようになった。
力もあるし華もあるのに、仕事がないガレッジセール。お笑いが”実力”だけの世界じゃないことを、今、一番体現しているコンビです。
(田幸和歌子)
勿体ないね!
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