映画の予告編って長すぎませんか？　本編までに寝ちゃいます……

　気になって仕方がない素朴なギモンを直接企業に聞いてみよう、という本連載。

　手帳に、劇場で観た映画をメモしている人は多いと思う。私は2009年を振り返り、「これだけしか観ていないのか」とちょっと驚いてしまった。20本くらいだった。1本2時間だとして、計40時間だ。エンドロールもすべて観ているしな……。いや、待てよ。予告編もちゃんと観ている。上映時間前にきちんと席に座っていないと、落ち着かない性格だし、遅れて他のお客さんに迷惑をかけたくない。しかしだ。あの予告編は長すぎやしないだろうか。1回計ったことがあるのだが、10～15分以上も予告編が続くのは当たり前。はっきり言って時間泥棒である！　それに加え、本編が始まる前に目が疲れてしまう。この二重苦、どうにかしてほしい。そこで映画会社のギャガ株式会社に直接、聞いてみた。

「映画の予告編って長すぎませんか？」

担当者　えーっと、そうですねー、（ヘラヘラしながら）長すぎるとは思わないんですけどね。

　今回の相手は声色からいって、お調子者のようだ。気を引き締めなくては。

――私はかなり長く感じるんです。そもそも、予告編に流れる映画は、何を基準に決めているのですか？

担当者　予告編につきましては、劇場さんだったり、あと映画会社さんとのご相談の上で決めていますので、作品によってまちまちでございますね。

　もっちゃりした答えしか返ってこない。今回は持久戦だ。

――予告編の数を何本流す、という決まりはあるのですか？

担当者　劇場さんとご相談の上、決めていくという形になります。

――たとえば、90分の映画と120分の映画だったら、90分のほうが多く予告編を流すのですか？

担当者　そのように作品の長さで予告編の数を決めるのではなく、あくまで内容だったり、規模だったりということで決めさせて頂いております。

　スッキリしない。要は「すべてケース・バイ・ケースです」ということなのか。こうなったら何か1つでも秘密を見つけたい。

――邦画だったら、邦画の予告編しか流さないのですか？

担当者　一概には邦画のみとは言えないんですが、傾向が強いですね。

――映画のジャンルがアクションだったら、アクション系の予告編を流す傾向もあるのですか？

担当者　ジャンルではなく、あくまで公開予定日だったり、あとは関係のある映画会社との予告編を流したりですね。

　まあ、想定の範囲内の答えである。つまりは、会社の都合だけで予告編を流しているということなのだ。観客のことは考えてくれないのか？　予告編が長すぎて寝てしまい、そのまま本編もすべて寝てしまった経験がある私にとっては、本当に死活問題なのだ。こう考えているのは、もしかして私だけ？

――今までに「予告編が長すぎる」という質問はありましたか？

担当者　「長すぎる」や「短すぎる」など、いろんな声がございます。

　えー!!　「短い」と感じる人もいるのか……。すいませんでした。予告編を「色々な映画のシーンをたくさん観ることができるチャンス」と捉えているお客さんもいるのだ。だったら、今後は上映時間の10分後に劇場入りしようじゃないか。例え、すでに着席しているお客さんに白い目で見られようとも。予告編は、今後断じて観ない。2010年、そう決めた。

　引き続き、皆さんの素朴なギモンを募集中です。ディープでインパクトのある、くだらないギモンをお待ちしています。
（酒平民　林賢一）

『淀川長治映画ベスト1000』

淀川さんは試写で見てたから、害は被らなかった？

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