サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー神の子降臨! 今月の「プレジデント ファミリー」は東大祭り カルチャー [女性誌速攻レビュー]「プレジデント ファミリー」4月号 神の子降臨! 今月の「プレジデント ファミリー」は東大祭り 2010/02/20 20:00 女性誌速攻レビュープレジデントFamily 「プレジデント ファミリー」/プレジデント社 「ウチの教育って間違ってないかしら……」と、漠然と不安を抱く親や、「ウチの子はこんなにイイ子だもの。イチローみたいな大物になるに違いないわ!」と、子どもに自己実現を投影することを生きがいにしている親たちのバイブル「プレジデント ファミリー」の4月号。”ファミリー”と言っても、決して山田洋次監督や、倉本聰が描く家族の空気感ではなく、「わが子を何としてでもいい大学に入れたい!」と考えるシティー派層のための雑誌ですのでお間違えなく。では中身を見ていきましょう。 <トピック> ◎勉強意欲が燃え上がる法 ◎うちの子のやる気の「ボルトネック」を探せ ◎わが子がピリッとする名言、金言30 ■今月号は東大祭り! 大特集の「勉強意欲が燃え上がる法」では、現役東大生100人にアンケートを実施。どんな勉強をしていたか、どの部活に入っていたか、どんな本を読んでいたかなど、徹底分析しています。その中で特に気になったのが、「勉強以外に夢中になったもの」のランキング。1位「文化祭」(20%)、2位「部活」(17%)、そして3位にやっと「恋愛」(6%)がランクインするのですが、青春真っ只中に恋愛6%って少な過ぎやしませんか? 『東京大学物語』(江川達也著)の如く、やはり勉強と恋愛の両立は難しいという答えなのかもしれません。ついでに童貞率・処女率も聞いて欲しかったりして……。 ちなみに、「東大生が好きでよく食べていた食べ物」の1位はダントツで納豆でした。こういう情報をうのみにすると、一時期の「納豆ダイエット」のときのように、スーパーから納豆が消える事態になりそうで、ちょっと恐いです。 ■東大合格者……それは「神の子」 大特集内では100人アンケートだけでなく、「僕たちの成績が急に伸びたワケ」と題して、現役東大生9人にインタビューを行っています。この雑誌の愛読者からすれば東大生は「神の子」と呼んでも過言ではない存在。そのサンプルが9人も集まるのですから、読者もさぞかし鼻息荒いことでしょう。 9人の神の子達は、自身の挫折やイジメの経験などをセキララに告白。個性豊かな面々なので、読み物としてとても面白いです。例えば、”小学生の頃、漢字に強いこと以外にとりえのなかった”という東大生は、「ドッジボールをすれば最初に当てられるのは僕でした。でも、心のどこかで『自分には漢字があるから』と思っていたところもありました」というエピソードを披露。また、”友達にからかわれて、カーテンにくるまって泣いていた”という東大生は、「(受験勉強中に)やる気がなえそうになると、中学時代のアルバムを眺める」というドMなエピソードを披露してくださいました。現役もOBも東大生は変態が多い、という都市伝説に確証を与えてくれる素晴らしいページでした。「東大教」の純粋信者である読者には、どのように刺さったのか気になります! ■ストロング宮迫氏の名言が登場! 特集「わが子がピリッとする名言、金言30」では、やる気のない子どものために「壁に貼り、言葉で伝えたい珠玉のフレーズ」を30個紹介。古人の名言から、カリスマ先生のオリジナルまでズラリと並びます。その一部を紹介。 「Life is short. Play hard. Just do it!」(NIKEのCMより) 「せっかく勉強しようと思ったんなら10分集中してみれば?」(教育コンサルタント・中土井氏) 「根拠のない自信は過信よりも怖い」(個人指導塾塾長・田中氏) このような心に響くフレーズが並ぶ中、ひときわ浮いてしまっている名言を発見しました。「成績向上委員会」を立ち上げ、ネットで活躍中の指導者・ストロング宮迫氏という人物の名言。 「結果が悪いのはお母さんのミス!」 「あなたの育て方を間違っていたようね」 自分が子供の頃、家の中にこんな言葉が貼ってあったら……、さぞかし性格がねじ曲がっていたことでしょう。また、ストロング宮迫氏は、試験前の子供にかけたい言葉として、次の言葉を挙げています。 「この必勝シャーペンをお前に授けよう!」 思春期にこれを言われたらさぞかし辛いだろう、と勝手に思いを馳せてしまいました。今夜、日本中でこのセリフを放つ親が続出しないことだけを祈りたいと思います。 ■夫の携帯をチェックしている妻は61%!! 「プレジデント ファミリー」は連載コラムページも充実♪ その中でも今月気になったのが、夫婦間に関するコラム。子どもを持つ20~39歳の既婚女性を対象にしたアンケートで、「こっそり夫の携帯を見てメールなどをチェックしている妻」が、なんと61%という結果に。これが本当だとしたら、世間の夫婦はなんて危なっかしい関係で同居し続けているのか、と考えさせられます。子どもに愛情が向けられがちかと思いきや、夫をもきちんと”監視”している妻たち。その目配り、管理能力、素晴らしいとしかいいようがありません。その完璧さゆえに、ほかの家族が息苦しくなるというのだから、人間って難しいよね♪ というわけで、今月の「プレジデント ファミリー」も内容がギッシリで大満足でした。特に「東大に入ると幸せになれるの?」ということに一切触れられていないところに、「読者の夢を壊さないぞ」という”優しさ”が感じられました。ちなみに次号予告ページには、「難関中学 合格者の顔」という特集の文字が。合格発表会場にいる親子の喜びの表情が並ぶ、毎年恒例の人気企画のようです。きっと「プレジデント ファミリー」のリアル読者の顔が拝めるスペシャルな内容だと思いますので、3月18日発売の次号もお見逃しなく! (林タモツ) 『今夜はブギー・バック』 ゆがんだ教育のせいでこんなんなっちゃたのかしら 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】 ・狂気に満ちた「プレジデント ファミリー」は、独身男女こそ読むべき! ・家庭教師よりプレステ3! お受験ママの味方「VERY」の破天荒な連載とは ・「下まつげは田植えの要領で」魅惑の世界が広がる「I LOVE mama」 最終更新:2010/02/20 20:00 次の記事 ガチかネタか? IZAM&吉岡美穂夫妻のキャラ変貌の怪 >