西山茉希の卒業と入れ替わりで登場! あの事務所の大型新人モデル
今月号の「CanCam」のトピックは、なんといっても西山茉希の卒業です。6年間、同誌のモデルとして活躍し、蛯原友里、押切もえ、山田優ら看板モデルが卒業した(バブル崩壊した)後の「CanCam」を支えてたといっても過言ではないでしょう。卒業宣言から1カ月、しかも西山以外にキャラが立ったモデルが不在という状況の中での卒業に、なにかしらの事情があるのかと訝しく思ってしまいます。それはまた別の機会に調べるとして、早速「西山卒業号」をチェックしていきましょう。
<トピック>
◎”ニッポンのOLを笑顔にする”CanCamの春がスタート!
◎西山茉希 最高の笑顔で卒業します
◎デビューOL成功の虎の巻
◎CanCamモデルズ 秘密の恋バナ(はあと)
■西山卒業とともに、ゴリ押しされる新人モデル
今月の「CanCam」は看板モデル・西山の卒業に8ページを使いました。でも、うち4ページは西山のインタビュー、2ページはCanCamモデルとの卒業旅行の模様、残り2ページはよく西山のイラストという、イマイチ内容が薄いような気が……。インタビュー内容も、なぜ卒業するかといったことにあまり触れておらず、ようやく出てきた言葉が「”表現”っていう大きな意味での仕事を続ける」ということでした。しかもこのインタビュー、ざっくらばらんな内容はいいとして、スマイルマークや泣き顔など、絵文字が入り過ぎ。西山が元気キャラというのは差し引いても、絵文字で雰囲気を伝えるというのは、活字媒体にはなかなかない手法ですね。
「茉希今まで、ありがとう」といった舌の根も乾かぬうちに、新専属モデルとして紹介されたのが土屋巴瑞季です。確かにスター性のある顔立ちなのですが、キリっとした美人顔で「CanCam」というよりは「With」(講談社)系の顔立ち。しかも、完全に顔が出来上がっていて伸びシロが少なそうで、見守る側としては、ちょっとつまらないかも。エビちゃんが入学したころのように、ちょっとイモぽくないとファンは増えないような……。とはいっても、今月号は雑誌本体でも新人とは思えぬほど登場シーンも多く、別冊付録「最新ビューティー ”基本のき”Book」でも大活躍。何かが匂うと思いきや、土屋さんはあの藤原紀香を擁する「SOMEDAY」所属とのこと。西山が卒業した後に、「SOMEDAY」の新人とは、”芸能界の見えざる手”の意志が汲み取れます。怖い!
■また一人、企業に”平安貴族”を送りこむ!?
続いては、4月を前に「デビューOL成功虎の巻」という、新卒者対応の企画を見てみしょう。まずは「キラキラ先輩OL×ドキドキ新人OL 目指せ愛されOL座談会」という、先輩のアドバイスが光るページをチェック。他に聞くことがあるだろう、という指摘を無視するかのように、最初からスカート丈の話で盛り上がっているようで、
新人OL「スカート丈ってどのぐらいですか?」
先輩OL「普段はひざのお皿半分ぐらいかな」
と、お皿基準の会話が飛び交います。さらには
先輩OL「入社してすぐは2・3年目ぐらいの女性の先輩のファッションをお手本にしてたな~。仲良くなっていろいろ話を聞きながら、自分のスタイルを作っていったって感じかも」
(略)
後輩OL「私は3人のような先輩が欲しいです!! そしたら毎日が楽しそう♪」
ということです。ファッションで結ばれる上下関係なんて、初めて知りました。「CanCam」を読んで育つと、誌面の世界を現実に引き寄せられる、という”現象”を目の当たりにしました。
その後、ファッションページを挟んで、展開されたのが「OLデビューまでに知っておきたい27のコト」。こちらも独特の世界観が垣間見れる、アンケート形式の企画です。一部、抜粋しますと、
Q「この会社に入ってよかったー!」と思った瞬間を教えてください
A名前を覚えてもらったり、ありがとうと言ってもらえたとき
Q知っておくべき美OLのさりげないたしなみってありますか?
Aハンカチの美使用法をマスターして!
Q会社での癒やしグッズは何ですか?
Aデスクにお気に入りのナノケアを常備して、疲れたときにスイッチオン! 気持ちがよくて、きれいになれて◎
ちょっとイライラしたアナタ、ダメですよ! 「仕事もなんとなくしてぇ~、帰りは銀座によってお買いもの☆」という、何もしないで一日を過ごしていた平安貴族の様な「CanCam」愛読者がいるからこそ、消費が増えて、景気が良くなるんです。いわば、こういった消費行動の旺盛な人が景気を握っているんですから、一層励んで頂きましょう。社会に順応しろと強制するほうが、よっぽど無理な話なのです。
■バレンタイン特集にユニクロ! 「CanCam」が新たな局面
2月のバレンタインデーを目前に、組まれたのが「発表! 僕らの理想のバレンタイン」という企画。自分が彼にどうしてあげたい、どう過ごしたいという視点ではなく、「彼が望むことを聞いて、してあげたい」というのは、「モテOL」を目指す「CanCam」らしい切り口。成宮寛貴のインタビューを皮切りに、「もらってうれしかったもの」などの定番インタビュー、もらいたい高級チョコ、プレゼントされたらうれしい小物など、カタログページが続きます。
と、その流れで登場したのが、「『バレンタインはUNIQLO』が新BOOOOOMです!!」。今まであらゆる女性誌に広告を出していたユニクロですが、とうとう女性誌という媒体で、男性ものの広告を打ち出すという新しい展開を始めました。ただ、「CanCam」読者の彼、という属性を考えた時に、ユニクロはあまり相性が良くない気が……。寸分の隙もない女の子が、彼へのプレゼントでユニクロをあげるとなると、彼に「自分のオシャレのためにしかお金を使わない子」と認識されそうですね。
今月も方向性が見えない「CanCam」ですが、西山を超えるだろう新人モデルが登場したことが明るい話題のようです。今月は春物の新作がそろったせいか、ファッションページも華やかでした。来月号はどうなるのか、西山茉希はどこへ行くのか、今後もこの二つを追っていきたいと思います。
(小島かほり)
「CanCam」モデル卒業生の最高峰(笑)
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