「人見知り」アピールでグイグイ前に出るオードリー若林の計算
今回はオードリーの「じゃないほう(?)」若林にツッコませていただきます。
先日、番組の収録中に骨折したオードリー・春日。怪我の具合もさることながら、気になるのは、春日不在の間の相方・若林である。
『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で、コンビの知名度の低いほうを集めた「○○じゃないほう芸人」に出演したとき、すでに一部で「若林は『じゃないほう』じゃないよね?」という指摘もされていた彼。
インパクト大の春日に比べ、地味という意味では「じゃないほう」だが、「実力があるほう」と言われていたのも若林だった。
しかも、春日が女性たちに「カワイイ」と言われて人気者になる一方で、「春日はポンコツ」ということが数々の番組で指摘されるようになっていったのは、悲しい時の流れ。
驚くべきは、そんな時の流れに乗るように、若林は春日を面白く見せるようフォローするでもなく、一緒に「ポンコツ」呼ばわりし、春日のコメントに対して「つまらない」「また、普通のことを言う」「いまオレがしゃべってるんだから、黙ってて」などと冷たく突き放す姿が目立つようになったことだ。
もちろんこれは、「番組の流れ的にそうしておいたほうが盛り上がるだろう」「ポンコツとしてイジってやったほうがオイシイだろう」という意図・戦略があるのだろう。
でも、つまらないことを言った春日に対し、相方が「つまらない」と指摘するのは、「ツッコミ」ではない。単なる正論である。
旬がどんどん入れ替わるお笑いの世界で、「トゥース!」ばかりで残っていけるわけではないのは確かだ。だが、次なる戦略として若林が選んだのは、「自分の方が前に出ること」だった。
それも、春日のように堂々と胸を張り、ふてぶてしく前に出るのとは真逆の方法で、「人見知り」として、「前に出られないこと」を売りにしてジリジリと出始めたのである。
昨年11月19日放送分の『アメトーーク』で、若林がプレゼンした企画「人見知り芸人」は、非常に好評だった。内容も面白く、プレゼンした若林の手腕も光っていたが、どうしても違和感を覚えたのは、「そういう若林が一番人見知りに見えないこと」である。
その後も、数々の番組で、ことあるごとに自らの「人見知り」「コミュニケーション下手」を強調する若林。
1月16日にスタートした深夜番組『潜在異色(せんざいいしき)〜人気芸人が初めて見せるヒミツの出し物』(日本テレビ系)においては、とうとう同じく「人見知り」南海キャンディーズ・山里と組んで、非常に完成度の高い「人見知り漫才」を披露してもいた。
さらに、1月19日放送の『踊る!さんま御殿!「切っても切れない仲間たち 衝撃大暴露スペシャル」』(日本テレビ系)に登場した彼は、友人の芸人・くじらに話がふられるたび、どんどん前に出て我がことのように喋りまくっていた。
こんなにも自分から前に出る人のどこが「人見知り」なんだろう。それを見ながら、つい思ってしまったのは、「若林、如才ないな。品川(祐)みたいだな」ということだ。
実力があって、空気が読めて、計算もできる。でも、「おしゃべりクソ野郎」品川とは違い、「人見知り」という衣をまとうことで、嫌われずにオイシイところを持っていく。
本当の変人が自分を「変人」とは決して言わないように、また、自分を「変わっている」という人がたいていフツウであるように、自分のことを「人見知り」「人見知り」と強調する人に、本当の人見知りなんていないと思う。
若林の「人見知りキャラ」押しが、春日不在の間にますます強まってしまわないことをひそかに願うばかりだ。
(田幸和歌子)
まぁ、ともあれバランスのいいコンビです
【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】
・“嫌われてるオレ”を自認!? ますます加速する品川の「くそ野郎」戦略 …
・スーパースター・キムタクの”空回り”に放った、中居の本音
・茶番になればなるほど輝く、オアシズ・大久保佳代子