スーパースター・キムタクの”空回り”に放った、中居の本音
今回ツッコませていただくのは、1月10日放送分『SMAP☆がんばりますっ!! CHANTO SHINAITO NE!! スペシャル』(テレビ朝日系)。
SMAPの一人一人が体を張った企画に挑戦するというコンセプトで、昨年1月放送分に続く第2弾だったが、感動や笑いよりも、「そんなにがんばらないで」という切ない思いをした視聴者は、案外多いのではないだろうか。
香取慎吾が「24時間縄文時代生活」を体験したり、稲垣吾郎に「カラオケで24時間以内に100点を出せ」など、SMAPが『いきなり!黄金伝説』をやるのか……という”いまさら感”は、言うまでもないこと。今一番勢いのあるジャニーズの後輩・嵐が、何年も前に深夜番組でやっていたような企画を、SMAPがなぜ今? という思いもある。
でも、「そんなにがんばらないで」の思いの頂点は、やっぱりスーパースター・キムタクの「年末年始ヤマトではなくトマトだけで乗り切る男」であった。
本来、常にカッコよく、運動も料理も歌も、何でも器用にこなすキムタク。張り切りすぎて、こぶしをまわして歌ったり、「ビストロスマップ」において「出汁」を「でじる」と読んだことなども、「聞かなかったことにしておこう」と、そっと心にしまった経験を持つ人は多いことだろう。
また、昨年末のNHK紅白歌合戦でスーザン・ボイルにわざわざ英語で話しかけたのに聞きとってもらえず、通訳された……という悲しい場面でも、瞬時におどけてコケてみせ、「この切り返しの早さが、さすがキムタク」と好意的に見た人はいただろう。それなのに……。
トマトだけを食べ続けてグッタリする姿も、トマト模様のベタベタなトマトカーに乗り込む姿も、部屋に戻って「ただいも」とか意味の分からないギャグを言う姿も、トマトを食べつつ、なぜかオードリー春日の「うまし!」という妙なギャグを使っちゃったセンスも、スーパースター・キムタクさんらしくない。
でも、それを一番感じているように見えたのは、リーダー・中居正広だった。
VTRを流す間は他のメンバーの顔が小窓に映し出されているのだが、中居だけは終始、眉間にシワを寄せたり、沈痛な面持ちで見つめ続けていた。
キムタクが「体が冷えてきた」と呟き、加熱したトマトを食べて元気になる……という体表面の皮膚温度の変化をサーモグラフィーで見せられた場面では、天然・稲垣はフツウに見続け、ムードメーカー・香取は大げさに大声で笑ってみせ、草なぎだけがただただ楽しそうに笑い転げていたが、中居の表情はひたすら険しかった。
番組内で香取が「歌もSMAPは上手じゃないけど、こういうがんばるところがSMAPらしくて」と発言したり、メンバー同士で「がんばるぞ!」「がんばんないと!」などと何度も自分たちの士気を鼓舞するようなコメントをしていたが、対照的に中居の発言は、持ち前のキャラクターでも役割分担によるものでもなく、リーダーとしての本音に聞こえた。
「いや~、そんなにがんばらなくてもいいと思うんだけど……」
いまひとつバラエティーにハマらないことはあるけれど、古畑任三郎のモノマネや「Pちゃん」のコントなど、能動的に計算で笑わせることもちゃんとできるキムタク。自ら「笑われ」になる必要はないと思うのだけど……。そんなにがんばらないで、キムタクさん。
(田幸和歌子)
押尾語録といい勝負ですよ♪
【この記事はこんな記事も読んでいます】
・神話崩壊!? 世間に漂い始めた”アンチ・キムタク”の空気
・ 『スマスマ』ついに終了! ついにフジもSMAPを捨て嵐へ
・ベッキー母とのカラミで発見、キムタクが生き残る道は”ヨン様化 …