芸能
09年の『スタジオパークからこんにちは』を振り返る

幹久、さだまさし、葉加瀬太郎を”発掘した”『スタパ』の実力

2009/12/31 11:45
陶子アナがいたころのHPより

――『徹子の部屋』(テレビ朝日系)の裏番組でありがながら、黒柳徹子に負けず劣らずの名物MC・武内陶子アナウンサーの存在で、一部ネットユーザーから熱すぎるほどの支持を得ている、『スタジオパークからこんにちは』。NHKらしくもあり、また別の意味ではNHKらしくもあるこの番組の魅力を、2009年の放送回とともに、太田サトル氏&田幸和歌子が解説します。

太田サトル(以下「太」) NHKのお昼のトーク番組としてすっかり定着した『スタジオパークからこんにちは』。実は伏兵というか、意外に見逃せないオモシロがあったりするわけだけど。

田幸和歌子(以下「田」) NHKの代名詞といえば、大河と朝の連続テレビ小説だけど、09年ですごく印象に残ってるのが、『天地人』に出演していた東幹久の回ですよね。

 幹久は今や、笑いの神に愛されてる人物としては相当上位に食いこんでいるよね。

 『VS嵐』(フジテレビ系)の特番に出たときも、『レッドシアター』(同)から本業のお笑いの面々が大量に来てたのに、全部おいしいところを持って行って、まるで主役!

 『スタパ』では、当然大河の話がメインだったわけだけど。

 共演者の北村一輝からのメッセージVTRで、キス魔であること、しかも男にということをバラされてた。妻夫木、北村、幹久の怪しい関係がそこここに垣間見えて、腐女子の”ケ”がある人なら「キャーッ!」って赤面しそう。だから、幹久を含めて妻夫木、北村も加えた『天地人』の男性陣というのが、09年の盛り上がりのひとつでした。

 そこに、デブ専系としてパパイヤ鈴木も加わってるわけなんだよね。

 そう。幹久がパパイヤのことを『パパ』って呼んでんだ、という余計な情報も知ることができるし。

 『スタパ』は生放送ということもあって、時にはハラハラするようなこともあったりするわけで。『アンパンマン』の原作者、やなせたかしが出たときが、けっこうキてた(笑)。

 何があったんだっけ?
太 基本的には「90歳なのに、こんなにお元気で」というトーンなんだけど、中盤に、突然『アリフレラ』とかいう歌を、しかもアカペラでスタジオパークの観覧者の前を練り歩きながら熱唱し始めちゃった!

 ♪アリフレル、アリフレラ~って踊りながら……会場も苦笑まじりのヘンな空気で。衝撃的なアカペラだったね。

 チビッコ大好きなアンパンマンのおじさんが、ジャイアン的アカペラで「ナゾめいたほほえみ~ホホホホホ~」「ムリカシラ~ムリダヨネ~」だもんなぁ。見てよかった! と思わせてくれた一幕でした。

 さだまさしが出演したときの、フォントの話には感心させられたよね」。

 同じ歌詞でもフォントを変えるとこんなに印象が変わる、というのを実践して見せてくれた。

 同じ歌詞が、悲しそうになったり、イヤな感じになったりね。なるほど~と思わせる話芸に、今さらながら『さだすげえなぁ』と思わされました。伊達にみそ汁つかないな、と。

 490円で(笑)。そのさだの名人芸、おおみそかの紅白直後にNHKで2時間生放送を堪能できます。こんなところからも、NHKの、さだへの信頼感がにじみ出てるね。

 あと、葉加瀬太郎の変態靴パーティーの話がスゴかった。

 葉加瀬の靴トーク! いい靴を集めるのが大好きで、それを磨きながらスコッチを飲むというのが至福のひととき、という話でしょ。「靴墨とお酒の豊潤な匂いに包まれて」だっけ?

 しかも、同じ趣味のセレブが集まるパーティーがあるらしくて。シャンパンを布につけて靴を磨いたりするんだって。そこで、「お宅の靴、なかなかいいツヤなさってますね」って会話をするんだって言ってた!

 リアル版「貴族のお漫才」を聞いてるみたい。もう庶民にはまるで分からない世界。単なる変態の集いみたいだけど、世の中って、広いということを実感しました。

 「別番組だけど、『スタパ』という、意外な異空間に気付いてたのが、友近。

 『笑・神・降・臨』(NHK)という芸人の芸をしっかり見せる番組でね。友近は『スタパ』のゲストに来た架空の大女優という設定で、オープニングから番組を再現、そこに『スタパ』内のVTRでとして、やりたい放題のコントを連発という、番組スタイルをフルに活かしきってた。

 『スタパ』のカラーがしっかり出来てるってことだよね。それだけに、その”主”でもある武内陶子アナの産休降板は、ちょっと痛い。

 とりあえず、3月までは3人のアナが曜日代わりで担当する、変則スタイルなんだけどね。豪快に興奮する”陶子トーク”がオモシロを肥大させた回も多かっただけに。

 ”おしゃクソ”品川(祐)を、逐一チクチクへこませ、最終的に「僕のコト、嫌いでしょ」と、言わせることができるのはきっと、陶子アナだけ。でも、新しい可能性や面白さも生まれてくるかもしれないから、2010年も引き続きチェックしたいよね。

 『徹子の部屋』の裏番組だから、いつもどっち見るか、迷う。ゲスト誰かなと、比較して、より面白そうな方にチャンネルを合わせる。この迷いがまた、昼下がりの楽しみのひとつ、なわけです。

さだまさし ベストデビュー30周年記念リマスター盤

さすがにCDにはMCは入ってないよね


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最終更新:2009/12/31 11:45
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