エイベックスがゴリ押しするICONIQ、ブレイクの第一歩は「GINGER」表紙
今月号の表紙は、EXILEのATSUSHIとのコラボ曲でデビューしたアーティストのICONIQ。坊主という事を取っ掛かりとして、かつての浜崎あゆみ的人気を目指し、エイベックスが膨大な広告費をかけて絶賛売り出し中の新人さんです(噂では、かなり先までタイアップが決まっており、大ブレイクの道筋がガチガチに組まれているとか)。今までメジャータレント一辺倒で来た「GINGER」の表紙を思うと斬新な試みなのは確かですが、「エイベックスは編集部にどれだけ売り込んだんだ?」ということばかりが気になって仕方ありません。では早速、気になる中身を見ていきましょう。
<トピックス>
◎2010年最強のアーティスト。ICONIQって、誰?
◎真冬⇒春 リアルモードSNAP
◎可愛く見える!最新髪型図鑑
◎読者1000人の「美肌スキンケア」
■総ページ数、広告出稿が激減!
雑誌を持った瞬間「こんな軽かったっけ?」と思ったら、総ページ数が304ページあった先月号に対し、今月号は260ページに。広告や、広告タイアップ記事も明らかに激減。頑張れ「GINGER」!!
ファッションページはというと、先月号に引き続き、春トレンドである「大人可愛い」をゴリ押ししているため、コンサバの中にもレースなどを効かせたガーリーなページが続きます。その内容はとても実用的だし、ファッション誌としては悪くないのですが、白いバックに白ワンピや白ブラウスが並ぶなど色味も少なく、全体的に地味な印象。以前に比べると内容に特筆すべき工夫もなく、どれ一つ印象に残りませんでした。今月号を見て「最近、普通っぽくなっちゃったなあ」と、かつての「GINGER」のエッジの効いた誌面を懐かしむ読者は、少なからずいる事でしょう……。
■全カット肘を突き出すICONIQのなぜ
表紙を飾ったICONIQのインタビューは6ページ。そこには、絵のように美しい4点のグラビアが掲載されていますが、その全カットにおいて、不自然な程に肘を後方や前方に思いっきり突き出し、腰を掴むポーズをしています。彼女に設定されたアーティストイメージなのでしょうか? もしや二の腕のたるみをごまかしているのか? 謎は深まるばかりなので、今後もICONIQのポーズに注目してみたいと思います。
■なんのこっちゃ!?「ロック3割を強め」
ヘア特集「可愛く見える!最新髪型図鑑」では、「6つのヘアスタイルを成功させる極意」と題し、「可愛いのに大人」「セクシーなのに知的」「ロックなのに女らしい」など6つのテイスト別に、実際に美容師に髪型を注文する際のルールを紹介しています。しかしこの内容がちんぷんかんぷん。例えば
・基本はナチュラル(7割)、スパイスに都会的(3割)な部分をプラスするようリクエスト
・基本は知的でコンサバティブを重視(8割)、スパイスとしてセクシーな雰囲気(2割)をプラスするようリクエスト
・”たぬき顔”ならロック3割を強めに、”きつね顔”ならロック3割を弱めにオーダー
こんな感覚的な事を、文字だけで言われてもよくわかりませんし、「ロック3割を強め」と言われても、酒の事しか頭に浮かびません。ましてやこのまま美容師に伝える勇気もありません。そしてますます不安にさせられるのが「セクシーなのに知的」な髪型にするためのルールとして「カットが上手いと評判のサロンを見つける」って……当たり前です。
■天秤座の人は注意! 暗い気持ちになる占い特集
女性誌の年末恒例企画である占い特集ですが、「GINGER」の占いは期待を裏切りません。「悪運はねのけバイブル」と題し、西洋占星術において”試練を与える惑星”と考えられている”土星(サターン)”をフィーチャー。12星座別に、2010年に起こる災いを提示してくれています。なので書いてある事は「楽しみをことごとく抑圧される」「家族や親友など身の回りで悲しい出来事が……」「努力もむなしく、健康面でかなりのダメージが」など、読んでいるだけでどんよりする言葉のオンパレード。一番運勢の悪い天秤座にいたっては、「これから約2年半、つらいことがなだれのように襲ってきます」と、これ以上ない忠告。
しかし、どんなに悪い結果が書いてあったとしても、心配は無用です。占い特集の最後には「自分でできる魔除け&厄払い」が12個も載ってます♪ その一部がこちら!
・乾燥小豆を巾着袋に入れて持ち歩く
・携帯ストラップには鈴と貝と猿のアイテムを
・気持ちが少しでも乱れるときは「あとみよそわか」と3度心のなかで唱える
・乾燥したきれいな形のトウガラシを部屋の真ん中に飾る。もしくは寝室にぶらさげる
一瞬、小学生の時に流行った『おまじないBOOK』を思い出してしまいましたが、これを実行すれば2010年は安心! 年越し前にトウガラシと小豆を買いにいかなくっちゃ。
という事で、ファッションページが地味だった分、そのフラストレーションが占いページで爆発していた「GINGER」2月号。来月号(表紙は滝クリ!)では、減ってしまったページ数が元に戻る事を祈りつつ、本を閉じたいと思います。
(林タモツ)
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