09年イチの衝撃!? やりたい放題の医療ドラマの”正体”とは?
さまぁ~ずが言うところの「ドイヒー」という言葉が、あまりにもよく似合う。
深夜、チャンネルを合わせて、「え!? 地上波でAVやってんの!? しかも、クオリティ低っ!」と一瞬勘違いした。
土曜深夜、おそらく2009年いちばんの個人的ドイヒー番組、その名は『ナース物語』(千葉テレビ系)。今回はその第2話、11月21日深夜の放送分に、ツッコませていただきます。
どんな番組かを説明するのもばかばかしい気もするが、とりあえず。
タイトル通り、病院を舞台にナースと医師が繰り広げる、コメディードラマ仕立ての15分番組。そして、この医師とナースの醸し出す雰囲気が、一言でいえば、「安い」。
まず”ドクターHIRO”という医師役の男は、ギラッとした成り上がり臭が思い切り漂っていて、とにかく胡散臭い。その医師を、制服の胸がはだけていたりするお色気系(地味目もいるが)ナースが取り囲む。そして、全員が素人の空気プンプン。その絵面だけで「なんだこれ?」といった香りが瞬時に漂ってくる。オッサンとケバくて素人くさい女性、という取り合わせから、どことなく某ウィークリーマンションのCMが醸し出す空気を思い出してしまった。
出演者のセリフは、ほぼ全員棒読み。ときどき目線も泳いだりしているが、カンペを読んでいるのか。病院お色気のお約束で、ナースを膝の上に乗せたり、一緒にベッドに入ったりと、医師がナースにセクハラを連発。そして、ブスな女性患者がきたら、全く相手にしないという、医療に携わる者としてあるまじき行動。志村けんのコントを思い切り水で薄めたというか、安いAV臭がますますアップ。それを、一応マジメな役割らしきナースが、「もう、何やってるんですか!」(棒読み)とツッコむ。なんだこれ。まるで、中学生が「おもしろ」と勘違いして書いた脚本みたい。さらに驚くことに、冒頭に”原作『夢見るドクター』”ってテロップが。原作があるのか!?
そして、この番組のスポンサーの薬局。わざわざお金出してるのに、こんな番組で大丈夫? と心配してしまうが、「『ナース物語』を応援しています」という紹介(やっぱり棒読み)、そして棒読みしてるのは、本編に登場するナース(ツッコミ役)と同じ女性じゃないか。
いろんな要素が、繋がっちゃった。そして、ネットでそのスポンサーの薬局を検索してみたら……、出ちゃった! ドクターHIROと同じ顔が!! ”最高経営責任者”って書いてある! まさかの「枠買い取り」!?
『ナース物語』、結局、最高経営責任者の、お金を使ったお戯れだったってことなのか!? 『夢見るドクター』の「夢見る」って、そっち!?
……息付く暇もないサプライズの連続、お腹もよじれて痛い。結局辿りついた感想は、お金持ちってすごいな、ということに尽きる。金があれば、なんでもできるんだ。そんな意味ではたいへん夢を与えてくれる番組だ。マネー・チェンジズ・エブリシング。浜省か。
(太田サトル)
夢見るドクター度なら負けてない作品
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