白い粉を操りながら笑顔で「しあわせ」と呟く、工藤静香の問題点
――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!
◎静香の静香によるパロディ
工藤静香起用で話題の味の素・パルスイートのCM。「サラサラとした白い粉(パルスイート)を操り、満面の笑みを浮かべる工藤静香」という画ヅラのタイミングの悪さもさることながら、久々に見る工藤静香の不細工さに唖然とさせられる。バックに流れる「MU・GO・N色っぽい アコースティックバージョン風」の歌声のひどさ。「あーしあわせ。なんでこんなにしあわせなのかしら」というセリフの棒読み感、若奥様風エプロン姿が全くしっくりこないしゃくれたコゲ茶色の肌。木べラか。「そっくりさん」で作った悪意あるパロディCMにしか見えないのである。もっと効率よく「料理上手で幸せな奥さん」を喚起できる人材はいくらでもいるというのに。なぜだ味の素、なぜ大金かけて木べラを使う。代理店にダマされたのか。
◎キムタクが二重アゴを晒す意図
夫・キムタク。FMVのパソコンのCMで、姿を勝手に大きくされたり小さくされたりしてしまうという設定なのだが、巨大化した際、二重アゴがものすごく目立つ瞬間がある。下からのアングルのせいもあるとは思うが、それにしても、よくノーチェックで流したなあ、と驚くたるみっぷり。代理店ダマしてるなあ。金を出すのがアホなんだが。夫婦で「ただ今値下げ真っ最中!」。足の引っ張り合いはどこまで続くのか。
◎歌を歌うだけで許された過去
今週はCM三部作、というわけでさんまのキッコーマンのCM。昔のものと全く同じ形式で、今のさんまがしょうゆを持って歌っている。ショボい。向こうが思ってるほど面白くもない。前のCMが流れた頃は、彼が人気絶頂の頃であり、歌声のオンチさも、「幸せって何だっけ」という歌詞も、すべてが好意的に、積極的に、真正面から受け入れられていた。だからこそ「さんちゃんが歌を歌うだけ」というあの形式が通用したのだ。しかし今は……。あの頃と同じ様式で彼を提供されても、クスッとも来ない。逆に「そうそう、あの頃は人気者だったな」と、かえって今の凋落ぶりが強調されるのみ。あのCMはそのまんま、あえてIMALUにやらせた方が良かった。彼女は嫌いだが、あれをやれるんならちょっと見直したと思う。
今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。
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