コラム
"噂の女"神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第1回】

皇室ネタから見えてくる、「女性自身」の本気度

2009/10/20 18:00
「女性自身」09年11月3日号

 下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の”欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 「女性セブン」 「女性自身」「週刊女性」――。現在日本で発行されている3誌の女性週刊誌だが、女性週刊誌は世界には例を見ない、日本独自の”女性向け”の週刊誌なのだとか。置いてあるところも独特で、美容室にとっては必須のアイテム(なんでだろう?)。女性患者の多い病院の待合室やエステサロン、最近では健康ランドでもたまーに見かけるようになった不思議な媒体だ。

 芸能記事はもちろん、占いにお料理、皇室に人間ルポ、美容にダイエットと女性目線の記事が、これでもかとぎゅうぎゅうに詰め込まれている。おなか一杯の雑誌。
 そんなてんこ盛り雑誌の時評なのだから、少々の無理やり感があっても仕方がない。ってな前置きからいざ、はじめていきたい。

1位「美智子さま”ご憔悴”の異変に侍従長がご友人に送った『SOSメール』」(女性自身11/3号)
2位「スクープ直撃 独占撮! いよいよ初公判! 酒井被告『赤の他人』な再生計画」(週刊女性11/3号)
3位「中川昭一 日本一の励まし妻 悲しすぎる”後悔”」(女性セブン10/22・29合併号)

 初回ということで、トップ記事を比較してみました。

 奇しくも本日10月20日は美智子さまの75歳の誕生日。そして「女性自身」は3誌の中でも、最も皇室モノに力をいれている雑誌だ。通常の報道にはないエピソードを織り交ぜ、私たちに皇室をより身近に感じさせることに一役かってるありがたい雑誌でもある。

 そんな「女性自身」が、このメデタイ日に皇室記事がトップなのは当然のことだが、お誕生日おめでとう! とは簡単にいかない。

 記事によれば、美智子さまの体調がすぐれないため、侍従長が美智子さまの10年来の友人にメールを送ったのだとか。その内容は「皇后さまがとてもお疲れになっていらっしゃるので、近いうちにぜひお見舞いに来てはいただけないでしょうか」というもの。最近の美智子さまは右膝の靭帯を痛めたり、手の震えが止まらなくなる症状もあるという。

 まあ、独自ネタといえば、そうなんだけど――。もちろん「女性自身」は宮内庁記者クラブには加盟していないため、そのネタは宮内庁担当記者や宮内庁周辺からのものと推察される。そのため過去にはかなり顰蹙を買った取材も行われていたようだが、最近は少々おとなし感が否めない。

「皇室ものは売れない」

 そんな声も聞こえてくる現在の女性週刊誌業界において、皇室記者も高齢化しているようだ。皇室モノより芸能の方に力を入れたいのもうなずける。しかも皇室は下手打つと抗議やらなんやらで大変なことになる、メディア・タブーのひとつだ。「噂の真相」がかつて右翼から襲撃されたのも、皇室関連だった。

 それでも皇室と寄り添って成長を続けてきた雑誌だけに、読者はもっと凄い記事を求めていると思うんだけど。

 そういえば、「女性自身」を中心に活躍する記者歴50年の皇室ジャーナリスト・松崎敏弥さんにお会いしたことがある。ファンキーなおじいちゃんで、お酒を飲みながら皇室の裏ネタをバシバシ話してくれた。ちょっと怖かった。そんなベテラン記者が少なくなったのかもしれない。
  
 2位。えっ、初公判を目前にして、ようとして行方がわからない酒井法子の姿をついにキャッチ!? と思わせるタイトルですが、まったく違います。

 撮られたのは夫の高相祐一被告でした。都内の実家から外出したところを直撃されたもので、「ちょっと……、やめてくれ」「今は何も答えられない」というコメント(?)を残して去っていったってこと。

 グレーのジャケットに黒いニット帽の上から大きなヘッドホンという変装(?)写真は必見ですが、肝心ののりピー情報は既報のものばかり。それに、記事中「高相被告は一人ぼっち」と孤独な生活が強調されてますが、保釈の条件が妻ののりピーと接触しないってことだからこれも当然です。事件前から別居してたしね。

 ということで、10月21日には高相の、26日にはのりピーの注目の初公判が開かれる。その時、東京地裁はどんな事態に陥るのか!? 見学に行くつもりだ。
 
 3位。「セブン」は合併号ということで、発売は先々週の金曜日。サイクルの早い週刊誌業界にあって、中川昭一元財務省の死亡は話題としては既に古い。

 とはいえ、他2誌とも前号では中川衝撃死を取り上げていて、その視点は全て”残された妻”。女性週刊誌ならではですが、「セブン」だけは長女をかなりフィーチャーしてました。

 この長女はフジテレビの報道記者です。のりピー事件の時も、大活躍したやり手とか。一部では「弔い合戦で長女出馬か」なんて噂もあるほど。

 そういえば、父親の急逝をきっかけに出馬した産休中の小渕優子はTBS社員だった。ついでに宿敵・鈴木宗男の娘はNHKに在職中で、こちらも政治家向きなんだとか。
(神林広恵)

『噂の女』

伝説の女デスクの眼光が光る


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最終更新:2013/04/04 03:32
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