フジ開局特番で再認識、規制に弱い今のバラエティー
今回ツッコませていただくのは、10月10日放送のフジテレビ特番『フジテレビ開局50周年記念 記録よりも記憶に残る フジテレビの笑う50年 めちゃ2 オボえてるッ!』。
「開局50周年」ということで、フジテレビがこれまで放送してきた人気バラエティを、めちゃイケメンバー+中居正広が、映像を見ながら振り返るというもの。
さんまとたけしの伝説から始まり、『オレたちひょうきん族』(西川のりおのセクハラ連発!)、志村けん&加藤茶をゲストに招いて「ドリフ」、それから「ものまね」、「どっきり」、「動物モノ」、「ハプニング」、『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』の「ウンナン」、そして、『夕やけニャンニャン』と『オールナイトフジ』で暴れまくる「とんねるず」といったもの。サブテーマが「めちゃイケのルーツ探し」ということだが、3時間の中に、いくつかの発見があった。
番組が進み、過去の人気番組がいかに暴走し、いかに身体をはって笑いをとってきたかということがひしひしと伝わる。反面、「今のテレビって、おとなしいんだなぁ」という現状が浮き彫りになり、ちょっと切ない気分にもなってきた。女子アナの胸をもむ西川のりお、観覧客と乱闘するとんねるず、一斗缶や洗濯バサミで身体をはるドリフ、そして「仮面ノリダー」の尋常でない火薬使用量。VTRを見る、めちゃイケメンバーや中居の口から、「すごかったなぁ」「今は絶対ムリですよ」といった発言、何回出たことか。なんだか結果的に負けを認めているようで、そういうことを気付かせちゃって、よかったんだろうか。
とはいえ、めちゃイケメンバー(とくに岡村)は、こういった先人たちの作ってきた番組に対して、本当に愛があるんだな、好きで見てたんだな、ということも確認できた。岡村の居眠り芸、もともとは志村のやっていた芸のオマージュで、さらに志村は会議中いつも居眠りする高木ブーを見てこの芸を思いついたという。つまり、岡村のあの芸のルーツはブーだったと、こんな「系譜」を知る。そんな岡村、テンションあがってしまったのか、VTRを見ながら「あ! これ○○するやつや!」と何度もネタバレ発言をし、有野にツッコまれてたが。
そして気になって仕方なかったのが、こんな豪華なラインナップの中で、ダウンタウンの映像や名前が全く出てこなかったこと。確か予告段階ではダウンタウンの名前も挙がっていて、「ナイナイ、ダウンタウン、そしてたけしにとんねるずか! すげえ!」と勝手に期待していたのに。『ダウンタウンのごっつええ感じ』や『夢で逢えたら』を外すわけにはいかない気がするのに。完全スルー。このラインナップでダウンタウン抜きってのは、どうにも不自然だ(タモリや欽ちゃん関係とかも出てこなかったけども)。
ダウンタウンが、ナイナイや加藤らに語られるわけにはいかなかったのか、逆にめちゃイケ側が避けたのか。めちゃイケではなくて、とんねるず? スタッフ? いやいや、たまたまか。と、余計な邪推ばかりふくらんでしまうの、よくない。
さてこの、「昔はよかった」特番、番組終盤に登場した港局長が「今はガマンの時なの」と言っていた通り、規制は多いわ不況だわと、苦しい時代だと思う。でも、どっかしら心の隅で思うのは、やっぱりバラエティって、PTAに嫌われてこそなんぼかと、そういう番組こそみんなゲラゲラ笑って見てたんだと実感。「制作費が」とか言い訳したり、一発ギャグや仲間内の芸ばかりでもないだろうと。こんな御時世の中、安定企画の「喰わず嫌い」の頻度を減らし、後輩芸人らの家を襲撃しパワハラまがいのやりたい放題、苦情上等な感じの「とんねるずを泊めよう」という企画をあえてやるとんねるず、攻めてるなあ。めちゃイケメンバーも、相手の額をお玉で思い切り打つという、明らかに「いじめを助長する」とか言われそうなことを何度もやっていたし。これも、規制の反動なのでしょうか。
番組最後に、港局長のそっくりさん「小港局長」として木梨が乱入。唐突にドロップキックを岡村に炸裂させ、番組終了。それにしても、そのキックの高さに驚愕。そして、喰らった岡村、実に嬉しそう。ホントに好きなんだなぁ。
(太田サトル)
『フジテレビ開局50周年記念DVD 欽ドン!良い子悪い子普通の子』
欽ちゃんも入れてよぉ~
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