フジものまね特番、女子アナ忘年会芸って必要か?
今回ツッコませていただくのは、9月29日放送の特番『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル』(フジテレビ系)。
ものまね特番といえば、フジ系と日テレ系という二強体制になってからずいぶん経つ。面白さはそれぞれかと思うが、フジは「ものまね」を題材にした「ネタ」の登場比率が高め。そして、「女子アナものまね」の存在である。
今回も、高橋真麻、松尾翠、本田朋子の3人のアナウンサーによるキャンディーズがトップバッターを務めるという、並みいるタレント・芸人を差し置いて、自分ところの社員の芸から番組が始まってしまった。この公私混同というか、学園祭/会社の宴会ノリこそが、まさにフジ、といったところではある。キャンディーズが終わったときにも、「アナウンス室の忘年会でやれって言われたんですけど」と発言、毎回のように司会の今田耕司と東野幸治に指摘されている「忘年会の芸」というのが、やっぱり間違いではなかったことが分かった。
この「忘年会や」というツッコミが免罪符になっているのか、実際好評なのか(内外とも?)、毎回局アナによる”出し物”は続く。
そんな女子アナ”出し物”の中でも、キャラがたってるというか、別のベクトルになっているのが高橋英樹の娘・真麻であることは間違いない。「宝塚の熱狂的ファン」ということが公然のものとなって以来、豪華衣装でミュージカル仕立てでの「やりすぎ」ネタをやるのがすっかり恒例となっている。今回もキャンディーズの後、再登場し、「ウエスト・サイド物語」をきっちり歌い上げ、父・英樹が「もう感動だね」とデレデレと拍手、それを司会陣がツッコむという定番コントはもう、安定感漂う域である。
今回の特番、なんと「4時間半」、一旦ニュース番組(『レインボー発』)をはさんでまでの長丁場だったのだが、松尾のエヴァ、本田の相川七瀬、石本沙織は「部屋とYシャツと私」と、何度となくフジテレビアナウンサーは登場してくる。社員のコスプレカラオケみたいな”芸”が続き、「似てる~!」も何もない気もしてしまうが、へっぽこなタレントよりも、商品価値ははるかに上、そういうことに尽きるのかもしれない。しかも、タレントさんに審査で勝利する(負けたのは松尾だけ)ってのも、なんだかなぁ。飛び上がって喜んだりして、楽しそうだけど。
さて、2日後の10月1日。
『とんねるずのみなさんのおかげでした』の特番の「とんねるずを泊めようSP」のコーナ−に、再び真麻と英樹が現れた。
今度はママまで加わり、ファミリー総出なうえ、憧れの男性・要潤をサプライズで連れてきてもらい、仮想ウエディングをするという、さらなる真麻セレブレイトが! そして感謝の手紙に涙する英樹。これもまた面白かったし、要潤が常におとなしくニコニコしていて、すごくいい人なんだろうなという発見もあった。
真麻と英樹の溺愛親子コント、こんなに立て続けに見せられるとは思わなかった。せめてもうちょっと間をおいてやってくれないでしょうか。
(太田サトル)
フジの女子アナにねじ込んだのが、そもそもの元凶
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