コラム
[連載] 水谷舞の合コン四季報

“海オトコ”の器の大きさに期待するも…… 川崎汽船と難航合コン

2009/10/04 17:00
“合コン総研アナリスト”水谷舞がお送りします

――元JALのCAで、合コンでお相手した企業は150社以上! の自称”合コン総研アナリスト”水谷が、実地調査(=合コン)をベースに上流メンズを辛口ジャッジ!

【本日のお相手】
 海運業界国内第3位。川崎重工の船舶部門から独立。その明治時代を思わせる社名の字面から何をやってるいるか不明な人も多いと思うけど、実は自動車輸送のパイオニア。コンテナ船の他、石炭などの不定期貨物船、石油タンカーなどを運航。昨秋以降、世界同時不況による海上荷動きの減少、コンテナ船運賃下落により収益悪化したものの好不況の波が激しい業界ゆえに「気合いで何とかしろ!」が口癖。今回は海運競合2社に航空会社も入り乱れての運送屋合コン。今宵はどんな航海が待ち受けているのでしょうか?

 電車や飛行機と違って船に乗る機会はあまりない。しかし、海洋国家日本の産業を陰で支えているのが海運業界。好不況の波が激しい業界なので採用数は少なめで、高学歴、語学堪能のみが通ることのできる狭き門。世界を”股”にかけて活躍する海運オトコのビッグスケール感に期待が高まります!

 そこで今回は船VS空の運送屋対決と銘打って、業界第3位の川崎汽船をリサーチ。合コン総研水谷舞の出勤です!

 恵比寿の和食ダイニングにて4:4でスタート! 男性陣はオール川崎汽船。対する女性陣は元CA二人、世界最大の船舶会社マースク勤務の女性二人で参戦します。合コン市場では珍しい船舶業界の川崎汽船。船と言えば、まず思い浮かぶのが乗組員。「船乗りさんは航海で月一回しか帰宅しないし、船長になると3,000万円超の高給取りで奥さん幸せよ♪」と言って微笑する世界最大の海運会社、マースクの女子を見るなり「運賃はマースクさんの価格で決まって、他の海運会社もそれに追随するんです。だから早く運賃上げて下さいよ~、俺らキツイっすよ」と早くも懇願する川崎汽船メンズ。人選の甲斐あってか合コン序盤から業界トークが展開です。

 そんな海運会社のカラーは、水谷の予想した”海オトコ”の壮大なスケール感とはちょっと違う!?

 「ウチはラグビー部とか、やっぱ体育会系の人が多いです」と、見た目はモヤシでも体育会系出身だと言い張る25歳、B氏。「日本郵船、商船三井の上位2社は優秀な人多いけど、川崎汽船はアホばっか。和気あいあいやってますよ!」と、毎晩本社近くのちょうちん居酒屋で一杯やってメタボ気味な34歳、C氏。「ウチは関西人めっちゃ多いですよ」と、次長課長の河本氏似のA氏も関西出身。「幹事で来るはずだったX先輩からいきなり地図がメールされてきて、今日お前ここへ行け!って言われて来ました」というD氏は若干29歳にして趣味は骨董品収集。

 そんな彼の労を労わろうと乾杯するも、「こういうの日常茶飯事なんで慣れてます」と事もなげ。日本時間は夜でもヨーロッパは昼間、アメリカは午前中なので、部署によっては夕方から激務になるのだとか。水谷も現役時代、深夜フライトで21時出社もザラでした。こんなニッチなお悩みを共有できるのも、グローバル24時間体制を整える運送業界ならでは。

 時差の悩みには共感できるけど、航空会社は時間に厳しいのです。「一分でも遅れたら社内中に全館放送されるのよ」と、航空のシビアさを引き合いに彼らの遅刻を皮肉ると「ウチは時間めっちゃ緩いっすよ~」と水谷の皮肉をあっさり一蹴。「飛行機は到着遅れても数時間でしょ。船は一週間以上遅れる事も普通」「だってしょうがないよね、海の上に出っちゃったモンは仕方がない」「めっちゃ適当っすよ」と口々にコメントする彼ら。「そうよね」と微笑するマースク女子。海運会社の独特な大らかさ、優雅さは、こののんびり加減によるもの!?

 そんな運送屋合コンのマニアックトークは更に深さを増していきます。

 「海外旅行でコンテナ見て心ときめく自分はちょっと病気よね」と、マニアック過ぎる職業病の女子に、参加者から賛同意見が続々! 

「異国の地で俺らのコンテナがあると嬉しいっす」「自分とこのコンテナ見たらマジ、テンション上がる!」「海外の空港で日本の翼があるとホッとする」「海と空は地の果てまで繋がってるんだね」

 時間感覚の不一致での対立ムードから一転、一つにまとまる運送屋メンバー。

 合コン終盤に差し掛かっても色気トークが一切ない事態に危機感を感じた水谷は、起爆剤として合コンゲームを幹事に依頼。ところが、ゲームは途中何度も脱線を繰り返しながら、時速30ノットでスロー航海。東京→香港→シンガポール……と何度も寄港しながら進む船そのもの。”相場も恋もスピード勝負!”の外資金融GS(ゴールドマンサックス)メンズとはあまりにも対照的です!

 帰り道、同じ方向の女子とタクシー車内反省会。「今日のメンズ、誰も番号聞いて来なかったのはどういう事?」と水谷が怒りを露わにすると「男所帯だから女性とどう接していいのか分からないんじゃない?」とマースク女子がフォロー。

 資源や食糧のほとんどを輸入に頼る海洋国ニッポンにおいて海運業は不可欠! ならば合コンの舵取りももっとスマート&ダイナミックに頑張って頂きたいものです。

合コンメンズ判定★★
「飲み会は毎日だけど基本野郎ばっか」と言う川崎汽船メンズの言葉通り、全く女性慣れしていないので、体育会系というより男子校ノリの方がピンときます。合コンの場での気配り、会計など、ややレディファースト精神に欠けますが、根はマジメなので付き合ったら彼女一筋で、愛の処女航海まっしぐら! 休日デートはサザンの「TSUNAMI」を聞きながら海岸ドライブ。「あれはマグロ漁船、あれは重量物船だな」などとビーチで色気ないウンチクが延々続くかも。そんな海運への飽くなき情熱とロマンを称えて、今回は星二つを進呈します!

水谷 舞(みずたに・まい)
大学卒業後、日本航空入社。NY、パリ、ミラノ便など、国際線ビジネス、ファーストクラスを中心に約5年間乗務。現在はレポーター、女優業の傍ら、「合コンは最高のエンターテインメント」をモットーに、”合コン総研アナリスト”として活躍中。公式ブログ「MY FAVORITE THINGS」も随時更新中。

<バックナンバー>
【第1回】マンガのような口説き方に見る、ゴールドマン・サックス男の真髄
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【第16回】初対決! ガテン系男子の下ネタ口撃に唖然
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最終更新:2019/05/17 21:12
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