「美とは人と比較しないこと」! 辛酸なめ子が世界の”美”に迫る
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「キレイだと、鏡を見るのが楽しくないですか?」
「そんな、ナルシストじゃないので(微笑)。鏡は持ち歩かないですね。日に何度も鏡をチェックする習慣はありません。いい意味で、自分に興味がないんです。アイラインとかファンデの状態には、あまり気を取られません。外に出たら大きくてステキなものがたくさん周りにあるのに、小さな鏡の世界に閉じこもりたくないんです。人間なので汗もかくし、化粧崩れもありますよ。撮影の前にはチェックしますが、日常生活ではあまり使わないですね」
森さんは、単に美しいモデルや女優と違う……生き方に哲学があるのが感じられ、今後、何か教祖的な存在にもなっていきそうな大物感がインタビュー序盤から漂ってきました。世界一の女に選ばれる、という至高体験は、宇宙飛行士が地球を見て宇宙意識に目覚めるような、アセンション(次元上昇)をもたらすのかもしれません。
「『なんで優勝できたと思いますか?』とインタビューで聞かれますが、なんで私だったんですか? と審査員ひとりひとりに聞きたいくらいで、自分ではわかりません。結局は、運だと思うんです。その年になるべくして選ばれるというか……。候補者は皆170cm以上あるし、髪も長くてきれいで、語学も堪能。同じくらいのレベルの中で選ばれるのは本当に運【註2】だと思うんです。世界でひとりという責任や使命を感じますね」
森さんが運命を感じたのは、世界大会の時だそうです。
「日本でCDショップにふらっと入って目に留まったメキシコのボーカルグループのCDを買ったら、その曲が偶然メキシコでの世界大会の水着審査のときに使われたのには驚きました。リズムが体に染みついていたのでよかったです」
「どうすれば森さんのように運気が上がるのでしょうか? お墓参りで先祖供養とか?」
「お墓参りなどはしますが、見返りを求めてお願いするのは、あまり正しいことではないと思うので、好きじゃないです」
「慈善活動をたくさんされていますが、それで運気が上がったりしますか?」
「良いことが起こってほしいから、何か良いことをするというのは間違っています。明確に達成したい目標に向けて、運は自分でつかむものです。チャリティに関しても見返りを求めてはダメ。その時その時、どれだけ心が通じ合ったかが大切。チャリティ活動でどれだけ貢献できたかは、チャリティを受けた方々の笑顔がバロメーターになります。世界や社会を知るきっかけになるので、一度は参加してみることをおすすめします」
どうしてそんなに若くして、人間的に完成しているのでしょう……。
「ミス ユニバース 世界大会で、ライバルを蹴落とそうとしてドレスを破ったり、靴に画鋲を入れる人はいませんでしたか?」と下世話な質問をした時も、
「そんな品のない行動をする人はいません! 皆精神的に大人で、楽しくて頭が良い人たちです。ミス ユニバースは世界の女性のお手本であって、美貌を見せつけているわけではないので……。人と比べて、あの人より自分のほうが顔がキレイとかスタイルがいいと思っている自信は、結局崩れてしまう。大会までの1カ月の間、自分とは何か、どうしてここにいるのかという意味を考え、納得して理解するのが大切です。私は自分を客観視して、冷静な精神状態を保っていました」
と、達観した答えが返ってきました。
【下巻へつづく】
[註2]運…まるで将来を予感していたかのように、日本の高校に通っていた時から地理が大好きだった森さん。「いつか世界を旅して外国の文化や食事に触れたいと思っていたのでミス ユニバースになってそれが叶いました」
【カブト柄勝守】千葉厄除け不動尊にて祈願されたお守です。身に付けた方に強運を招きます。ここぞという勝負の時に。
神頼みアイテムばっかり増えていく……
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