サイゾーウーマン芸能テレビテレビツッコミ道場童心の徹子と超現実主義の武内アナ、”素材”を生かしたのは…… 芸能 [TVツッコミ道場] 童心の徹子と超現実主義の武内アナ、”素材”を生かしたのは…… 2009/09/17 17:00 TVツッコミ道場黒柳徹子武内陶子稲塚貴一スタジオパークからこんにちは劇団ひとり 芸人のみなさん、気を付けて~ 今回ツッコませていただくのは、劇団ひとりが出演した、9月15日放送分のNHK『スタジオパークからこんにちは』。 その名の通り、一人で何役もこなす、劇団ひとりの多彩なトークは、「ひとり」の世界で練り上げられ、完結しているものである。 まずは、7kg減量に成功した「左手ダイエット(左手で食べると、時間がかかって満腹になって痩せる)」の話を披露。 続いて、自身のエッセーでも綴られた「石原さん」の話(見返りのない愛を求めて、駐車場で拾った石に「石原さん」と名前を付け、愛そうとする話)が語られた。 いずれのトークも、別の番組で何度か聞いたことのあるものだったが、幾度となく語られているうちにムダが削ぎ落とされ、完成度の高い落語のようになっている。ただし、同じ話も、受け手によって大きく印象を変えるのが、トーク番組の恐ろしさだ。 実は「石原さん」の話は、以前、『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に出演した際にも同じトーンで語られていたのだが、徹子は「見せて見せて。こんにちは。ゲストと一緒に小石がおいで下さったのは初めてです。石原さんとおっしゃるのね」と無邪気に素直に大盛り上がり。 「石原さんをどれだけ愛しているか試すために、外で後ろ向きに投げてみた。何万個の石の中でも見つけられる自信があったから」という話にも、「それでそれで? 見つけたの?」と身を乗り出して聞いていた。ここでは、受け手・徹子の感受性が、「石原さん」に命を与えているようにすら思えたもの。 ところが、超現実的な武内陶子アナを前にすると、「石原さん」は、単なる石のまま。 画面上には「ネタ? ホント?」という文字が出続、陶子アナも「え~! ホントですか~!? どこまで本気で聞いていいのか」と苦笑い。結局、劇団ひとり自身、「7割ぐらいです」と返し、「ほとんどの話はネタばかり」という結論になってしまった。 さらに、続くは、会場のお客さんに悩みを語ってもらい、その悩みを歌で解決する「ギターセラピー」なるコーナー。 苦悶の表情で大げさに熱唱する、いかにも劇団ひとりらしいネタだったが、これもまた、陶子アナの手にかかると、おかしなことに。 高校1年生の男子「コウエンくん」の悩み「授業中に眠くなる」が語られると、陶子アナは「どう? 稲塚(稲塚貴一アナ)、イケるんじゃない?」とムチャぶり。 可哀想なのは、ネタを奪われた劇団ひとりと、急にムチャぶりされた稲塚アナである。 脂汗(冷や汗?)を流す稲塚アナと、それに合わせてギターを奏でる劇団ひとりは、オチを探りつつ苦悩した様子で、結局、「いいこと思いついた~♪ 学校へ行く前に~ちょっと公園(コウエンくん)で一休み~♪」と、あろうことかダジャレで締めていた。 「劇団ひとり」という、ただひとりの世界を、同じ舞台にのって同じ視点から見ようとした「徹子」と、それをあくまで素材として扱い、「集団劇」に変えた「陶子アナ」。 ともにお昼の番組を仕切る二人の危険な調理人が、同じ素材から作り出す全く異なるメニューに注目してみるのも、面白いかもしれません。 (田幸和歌子) 『徹子と淀川おじさん 人生おもしろ談義』 上には上がいるものです。 【関連記事】 ひとり、はしのを迎え「新婚さんいらっしゃーい」化した「徹子の部屋 … 【関連記事】 “美しい50歳独身”戸田恵子、おうちで待っているのは 【関連記事】 “おしゃくそ”品川に「僕のこと嫌いですよね?」と言わせたNHK … 最終更新:2009/12/29 17:15 次の記事 「ダメ、ゼッタイ!」より効く、ノリピー夫の不可解なラクガキとは >