BOXティッシュの1枚目が、2枚以上取れちゃうんですけど……
◎鮫肌文殊と山名宏和の「だから直接聞いてみた」
――知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問を人気放送作家2人が直撃解決!
このところ、めったやたらに「ECO」番組を連発しているテレビ業界ほど実は地球にやさしくない業界はないと思う。特に番組制作の現場においては、とにかくものスゴイ量の紙資料が使われる。
たとえば、旅番組を1本作るとしよう。「一体どこを旅すればいいのか?」を決める段階で、担当のADから挙がってきた候補地の見ドコロをまとめた資料が、我々放送作家やディレクターの目の前にバサ~ッ! リサーチ会社に頼めばもっと絞って持ってきてくれるのだが、その分お金がかかる。で、代わりにADがネットで検索し、なんの吟味もせずただプリントアウトしただけの資料を提出するので、そんなことになってしまうのである。ヒドイのになると、紙資料が電話帳ぐらいのブ厚さのときもある。
ある小さな制作会社の社長に聞いたのだが、コピー代だけで月に50万円以上もかかるので「こりゃタマラン!」とプロジェクターで会議資料を会議室の壁に投影する方式にしたところ、これが外部スタッフに大不評。人間って何かモノを考えるときにそんな学校の授業みたいな形ではイヤなんですね。資料は自分の手元に置いて、メモのひとつも取りながら見たいというか。
ここまで読んで「テレビの人って、いまだにそんなアナクロ原始人な方法で会議やってんのか!?」とあきれたビジネスマンの皆さん、それ正解! みんなでノートパソコンを持ってきて、メールで資料を共有すれば、一発でペーパーレスになることぐらい知ってます。でも永年の現場の慣習で、なかなかそうならないんですよ。いやホント。
今回は、そんなECO関係のギモンを取り上げてみたい。これはアナタにも必ず経験があるハズ!
だから直接、 王子ネピア株式会社お客様相談室 に聞いてみた。
『ボックスティッシュの1枚目を引き抜いたとき、かなりの確率で2枚以上取れてしまうのですが、どうにかなりませんか?』
担当者 さようでございますか。どのようなティッシュでしょうか? 400枚200組のものでしょうか?
──一般的に市販されてる大きさのものです。
担当者 400枚200組のものですね。では、1枚目を引き抜くときにそのまま上に引き抜くのではなく、横に引き抜いていただけると、うまく1枚目を取れるのではないかと思います。
──1枚目の取りやすいティッシュとか、開発したりしてないんですか?
担当者 そういった商品はありませんが、取りやすさで言いますと、400枚200組よりも、320枚160組のほうが取りやすいと思います。
──それはどうしてですか?
担当者 量が少ない分、箱の内部に隙間がありますので、ティッシュ同士の密着も少ないからです。
聞けば今のティッシュ業界は「なるべく箱を小さくして、従来と同じ量の紙をムダな空気を含まないように圧縮して入れていく」MSS製法という技術が主流らしい。そりゃ1枚目が取りにくくなるのは当たり前! 初めからギュウギュウ詰めなんだから。でもそのせいで、誤って2枚以上取れるのは永遠になくならない!?
担当者 ……そうかもしれませんが……。(紙の)資源のことなどもありますので。箱の大きさも、昔と比べて少しずつ小さくなっていってます。
ティッシュ業界は、テレビ業界の100万光年も先んじて、スリム化の道を突き進んでいたのであった。「1枚目は、上ではなく横に引き抜け!」──今のところ担当者に教えられた極意を会得するほか、我々に道はなさそうである。
鮫肌文殊(さめはだ もんぢゅ)
1965年、神戸にて誕生。放送作家。『ぐるぐるナインティナイン』(日テレ系)、『さんまのスーパーからくりTV』(TBS系)などを手がける。
においつきって大好き♪
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