あの大物ロッカーみたい? 『はねトび』でハイテンションの吉川晃司
今回ツッコませていただくのは、7月29日放送の『はねるのトびら』(フジテレビ系)。
「ほぼ100円ショップ Theダイタイソー」のコーナーに登場したのは、吉川晃司。以前、『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に登場した際の珍妙なトークは記憶に新しいが(当コーナー既出)、今回は最初からやわらかな表情・ハイテンションで、ちょっと別人のようだった。
商品の素材・出来・希少性などを的確に判断し、見事な目利きを披露していたのだが、さらに見事だったのは、「笑い」に対する貪欲な姿勢である。
自らの目利きについて、「最近のロックは経済的にちゃんとね」などと笑いを交えたコメントをしたかと思えば、虻川のスベったダジャレをすかさずフォローし、
「キミがそれ(スベったまま)でいいんだったら、俺もいいけど」
と突き放すスピード感。
お茶目に「野菜好きよ」「フルーツ好き」などと意外な素顔を見せたかと思えば、芸人たちのやりとりを真剣な眼差しで見つめつつ、「(笑いを)かぶせるのって、同じことやるの?」と「笑い」のセオリーを確認する場面もあった。
また、自らが高額と予想した商品を塚地が「100円」と判断すると、
「身を削って番組を盛り上げようってこと?」
と、これまた真剣に聞いていた。
前のめりに笑いのノウハウを学びとろうとする姿勢は、基礎なくして勢いだけで乗り切ろうとする流行りの芸人たちに見習ってほしいほど。
ただし、腰の後ろで手を組んだり、手をポケットにつっこんだり、腕組みをしながら、まばたきをしつつ、テレくさそうにぶっきらぼうな口調で話す姿は、誰かに似ているなぁと気になっていたら……泉谷しげるにソックリの声色・口調なのである。
「わかんねえよっ」「なんでもねえよ?」「○○っちゅうかさあ」
乱暴で投げやりな口調は、ピュアで真面目な素顔のテレ隠しに見えて仕方がない。
極めつけは、みんなが高額と予想した玩具を、見事100円と言い当てたとき。ポケットに手をつっこんで嬉しそうにぴょんぴょん飛び跳ね、「ざま~みろ!(笑)」と言い放つ様は、泉谷しげるそのものだった。
ところで、この二人の類似性は、ファンの間ではすでによく知られていることなのかもしれないが、過去のインタビューでは自らこんなコメントをしていたこともあるほど。
「泉谷さんは、別に人が憎くて『ばかやろ、このやろ』って言ってるわけじゃきっとないですよね。お会いするとすごく良い人だし。でも、いつも『ばかやろ、このやろ』なんですよ。『ばかやろ、このやろ』の精神はモチベーションを上げることにつながると思いますね。いや本気で」
「泉谷さんが50代なら、40代のバカヤロ! コノヤロ! は吉川晃司、みたいな?(笑)」
かつてNHK紅白歌合戦でギターを燃やした伝説も、自らのモチベーションをあげるための「バカヤロ! コノヤロ!」的行動からだったのだろうか。
反骨・反体制的でテレ屋のおしゃべりロックオヤジの1つの典型として、吉川晃司の泉谷しげる化は今後ますます進んでいくのかもしれない。
(田幸和歌子)
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