芸人による「実はいい人芸人」押しって、保険をかけているのですか?
今回ツッコませていただくのは、7月22日放送分『はねるのトびら系』(フジテレビ)の「ウラモネア」コーナーにおいて、同じ事務所の先輩芸人「デンジャラス」にウラを暴かれた”毒舌芸人”有吉弘行。
もともとはデンジャラスのウラを話す役として呼ばれていたという有吉、ハメられたことに対して呆然として登場すると、冒頭からこんな暴言を吐いていた。
「ハメられたことがないの。『電波少年』でさえちょっと見破ってたの。ちょっと怪しいなって思ってたの」「何千万人だましてきたと思ってんの? うわ~、ハメられるなんて……屈辱……」
そして、そこから語られたのは、「本当はイイ子」というもので、「入り時間の30分前に来る」「実は心配性」「スタッフに嫌われるのが怖い」などなどが明かされ、有吉も反撃してデンジャラスのウラを暴き、暴露合戦が行われていた。
だが、そこでちょっと気になったのは、最近の芸人のお約束のパターンの1つに、「○○に見えて、実は~」と素顔をクローズアップする演出がやたらと多いこと。
たとえば、ケンドーコバヤシなどは、突拍子もないことを言ったり、暴言を吐いたりするが、周りの芸人たちに「本当はすごい常識人」「優しい」「公務員の息子」などと冷やかされるのがお約束になっている。
また、放送ギリギリの「尻出し相撲」&下ネタ連発の森三中・大島も、「実は常識人」と言われ、「非常識だよ!!」と尻を出してみせる……というパターンは、バラエティ番組で多く見られるもの。
ダチョウ倶楽部でオチ担当の上島竜兵も、「実は案外しっかりしていて、本当におかしいのはリーダー・肥後ちゃん」ということが、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)などでよく語られているし、芸人ではないけれど、結婚が報じられたばかりの西川史子先生も「ドSキャラ→実は腰が低くて、とてもイイ人」として知られている。
本人が意図してるかどうかは別として、こうした「素顔とテレビとのギャップ」を売りにする芸人たちのエピソードは、ちょっと可愛く、心温まる面も多いけれど、その一方で感じてしまうのは、「そんなにも簡単に”素”の部分をテレビで見せないでほしい」ということ。
たとえば、明石家さんまは、テレビと同じく、プライベートでもずっと喋り通しているというのはよく聞く話だし、たけしやタモリの破天荒なエピソードは枚挙に暇がない。
生まれついての「芸人」たちと一緒にするのはあまりに乱暴な話だけれど……テレビで副音声のように、タイムラグがなく「実はこの人~」と説明されると、どうしてもそのイメージはついてまわってしまう。
好感度的には「芸風と素顔のギャップ」を見せることも大事だろうけれど、ともすれば、常に保険をかけながら仕事をしているように見えなくもない「実はイイ人」芸人たち。『人生が変わる 1分間の深イイ話』(日本テレビ系)など、イイ話ネタの番組が人気の今、そこに乗っておくのは賢い選択なのだろうか。
(田幸和歌子)
こんな本出しちゃうくらいだからね
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