壊れたビニール傘は、可燃・不燃どのゴミの日に出せばいいんですか?
◎鮫肌文殊と山名宏和の「だから直接聞いてみた」
――知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問を人気放送作家2人が直撃解決！
僕の住む東京都世田谷区では、去年の10月からゴミの収集方法が変わった。以前は不燃ゴミだったビニールやプラスチックも、可燃ゴミとして収集されるようになったのだ。ゴミ焼却場の性能が上がり、ビニールやプラスチックを燃やしても有毒物質が発生しなくなったらしい。やっぱり、やればできるんだ。おかげで、ゴミを捨てるのが便利になった。
しかし、不燃ゴミの日がまったくなくなったわけではない。今でも不燃ゴミの日はある。金属や陶磁器は、不燃ゴミの日に出すことになっている。
じゃあ、ビニール傘はどうなんだ?
と思ったのも、実は先日、可燃ゴミの日に壊れたビニール傘を出したのだ。だが、ゴミの収集が終わっても、僕のビニール傘だけが、その場に残されていた。持ち帰るのも面倒なので、そのまま放っておいたら、しばらくの間、ビニール傘はその場に放置され続けていた。
それで気になり、近所のゴミ捨て場を見ると、あちこちで壊れたビニール傘が収集されないまま放置されている。
そこで直接、 世田谷区・暮らし生活相談窓口 に聞いてみた。
『壊れたビニール傘は、（可燃、不燃の）いつゴミに出せばいいんですか?』
担当者 お宅様は、どちらにお住まいなんですか?
いきなり住んでいる場所を聞き返された。さすがは区役所だ。そのわりには、この後、「少々お待ちください」と言われて、2分ほど待たされた。しかも保留にせず、受話器はそのまま。相談センターの雑音を2分間、聞かされ続けた。
担当者 経堂〇丁目ですよね?
──はい。
担当者 そうしますと、不燃ゴミになりますので、2回目（2週目）と4回目（4週目）の月曜日です。
「お待たせしました」のひと言もなく、いきなりの説明である。
──ビニール傘のビニールって可燃ゴミじゃないですか。
担当者 そうですね。ただ骨組みのほうが、あれ、金属になるんですが、そちらのほうが多いということで、不燃ゴミなんですね。
──じゃあ、たとえばビニール傘を捨てる時に、ビニールの部分をはがさなくてもいいんですか?
担当者 はがした場合、ビニールは可燃ゴミにお出しください。
──いや、そうではなくて、壊れたものを出そうとする時、ビニールを取らなくても、収集してもらえるんですか?
担当者 あ、取らなくていいです。
──ビニールを取らなくても、不燃ゴミ扱いなんですか?
担当者 そうですね。不燃ゴミになります。
なるほど。壊れたビニール傘は、不燃ゴミの日に出すのがいいようだ。ただし、問題は不燃ゴミの日が隔週ということだ。なぜ隔週かというと、その裏の月曜はペットボトルの日だからである。リサイクル目的ならば、ペットボトルも資源ゴミの日に集めればいいではないか。そんな隔週で集められても、忘れてしまう。それとも忘れる俺が悪いのか。
それにしても、初めて役所に直接聞いてみたが、民間のメーカーと比べると、その対応はあまりに素っ気ない。一応、税金を払った人が困って電話してくるのだから、もう少し優しくしてほしいよ、世田谷区。
山名宏和（やまな ひろかず）
1967年、東京にて誕生。放送作家。『行列ができる法律相談所』『ザ!鉄腕!DASH!!』（ともに日テレ系）などを手がける。
強風にも負けないよ
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