小走り、絶叫、土手遊び……地井武男、散歩中の悪ふざけが進行中
もはや散歩番組の代表格にすらなりつつある、『ちい散歩』(テレビ朝日系)。今回は、そんなメジャー化した『ちい散歩』5月13日放送分にツッコませていただきます。
今年の1月から、”水曜企画”として「ひと駅散歩」というのを行っているのだが、この日は「堀切駅~牛田駅」がテーマ。
開始当初はおそらく非常に低予算で、わずかなスタッフでまわしていたであろう同番組。いまではすっかり有名で、街を歩くと、こんなやりとりをよく見るようになった。
「『ちい散歩』だね」「いつも観てるよ」
ところが、ここでテレるでもなく愛想笑いをするでもないのが、ちいちいのステキなところ。
「なんだよ~、戸、あけっぱなしだよ!」
せっかく表に出てきてくれたおばあさんたちに、この一撃。しびれる。
しかも、冒頭からいきなり段ボールでの土手すべりを始めてしまった、ちいちい。いまさらこの程度では驚かないが、
「全然すべんないじゃねーかよ!(笑)」
さらに「お伴」をするADらしきスタッフとともに段ボールの紙を執拗に調整し、何度もトライしていた。
フツウの散歩番組はコースがきっちり決められており、アポ入れもあって、段取りもきちんと決まっているはずだが、この番組ではすぐ脇道にそれたり裏道に勝手に入ったりと展開がとにかく読めない。
緑の中をぐんぐん進んでいく中、小さな橋の上で立ち止まったちいちい。小川を見下ろしながら、唐突に鼻歌を歌いだした。
「は~る~の~お~が~わ~は~さらさら~行くよ~♪」
そして、グーッと引いてみせるカメラワーク。おじいちゃんの気ままな散歩にそのまま付き合ってるカメラマンとADと……のどかすぎる映像である。
さらに、1.7mという低さの高架下に来ると、ワクワクした表情で、
「全然アレしなかったらどうなるか」
と一言。アレというのは、たぶん「腰を屈める」ことだと思うのだが、とりあえず直立のまま無事通過。これでたいがい満足しても良さそうなものだが、まだまだ終わらないのが、「ちいちい」のくどさ。
わざわざ引き返し、小走りで通過。
「走っても大丈夫! へへへ」
さらに、今度は高架下から電車が頭上を通過する様を見ながら、「うぉ~~~!!」と絶叫。
「こら! 遊びじゃないんだから!」と注意さえしたくなる満喫ぶりだ。
最後にはスタッフとともにどら焼きを買って、公園で食べながら反省会。
ちいちい自ら「自分の家の近所歩いてるみたい」と評していたが、それにしても、『ちい散歩』を見るたび痛感してしまうこと。それは、「散歩に必要なものは、綺麗に整備された公園でも、ステキなお店でも、お洒落なランチでもなく、なんでも楽しめちゃう心」ということ。
土手と高架下だけでこんなに盛り上がれる「ちいちい」なら、毎日が散歩日和です。
(田幸和歌子)
シリアスな演技も出来ますので、オファーしてやってください。
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