ハッピーターンの味のバラつきって、なんとかなりませんか?
◎鮫肌文殊と山名宏和の「だから直接聞いてみた」
――知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問を人気放送作家2人が直撃解決!
ある大物イケメン俳優のハナシ。そのイケメンさん、ドラマ収録の現場で自分の出番が終わり、楽屋に戻った。事件はまさにその時起こったのである。
「ねええええ────ッ! ねえよ、コラッ!! 誰だああ、オレの天むす食っちまった奴ぁ、誰なんだあああッ!!」
ちょっとどうかと思うほどの大激怒。もちろん主演俳優の放った怒号のおかげで、ただちに撮影はストップ。プロデューサー以下スタッフ全員が、そのイケメンさんの楽屋に駆けつける騒ぎとなった。
「一体何があったんだ!?」
理由は単純。イケメンさんが「この出番が終わったら食べよう」と、楽屋に大事に大事に取っておいた差し入れの天むすを、何者かが勝手に食べてしまっていたのだ。とにかく天むすが大好物のそのイケメンさん。結局、犯人は見つからず、真相はドラマと同じく闇の中へ。これ、私の担当しているトーク番組で披露されたエピソードなのだが、世の中にはこのように「コレがなければ機嫌が悪くなる」、逆に言うと「これさえあればニコニコ顔」という大好物を持つ人間が数多くいる。
知り合いのディレクターの場合、その食べ物が「ハッピーターン」。なぜかテレビ業界には、この定番ロングセラーなお菓子のファンが多いようである。彼の下につくADは必ず編集所にハッピーターンを一袋用意するのが通例になっている。一度、ハッピーターンを買い忘れたAD君が彼にバキ打ち(思いっ切り叱り飛ば)されている現場に居合わせたことがあった。
「お前さあ、ハッピーターン一袋も用意できなくて、一人前のディレクターになれると思ってんの!?」──たかがハッピーターンのせいで全人格を否定されるくらい怒られている彼を見て、心底かわいそうに思ったものだ。
今回はそんな、”みんな大好き!”ハッピーターンについて、誰もが感じていたギモンを直撃してみたい。
だから直接、 亀田製菓株式会社お客様相談室に聞いてみた。
『ハッピーターンのひとつひとつの味のバラつきって、なんとかなりませんか?』
担当者 あのー、そうですねー、同じような製品に仕上げるようにはしているんですけれども、あの、粉の付着が多かったり少なかったり、どうしても起きてしまいまして、そのため、味のバラつきがあるようにお感じになられているんだと思うのですが。
──ハッピーターンは人間の手で作っているのですか?
担当者 機械で、あの、自動で作っております。
──機械で作っているのに、なぜあんなに味のバラつきが出てしまうんですか?
担当者 そうですね、付着といいますか、味をつけるときにパウダーのようなものをくっつけていくんですけれども、あの、ちょっとした加減で、多くつくもの、少なくつくものができてしまっているようでして。
──(ん? 答え方が慣れているな……)あのう、同じような質問をした方って今までいました?
担当者 実は恥ずかしいんですけども、味が(バラついて)違うのではないかというご質問をいただくことが(よく)あるんですけども。
やはり、あのやたらしょっぱかったり、味が薄かったりするのにギモンを感じていた同胞たちは、ほかにもたくさんいたのだ。人類に課せられた命題「ハッピーターンの味のバラつきをなくす」──が、果たして21世紀中に解決する日はやって来るのであろうか?
鮫肌文殊(さめはだ もんぢゅ)
1965年、神戸にて誕生。放送作家。『ぐるぐるナインティナイン』(日テレ系)、『さんまのスーパーからくりTV』(TBS系)などを手がける。
これこそ、モンドセレクションもの
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