安室奈美恵を表紙に据えて、創刊号の悪評を巻き返せるか!?
今月の「GINGER」の表紙は安室奈美恵。最近、出版界では「安室を表紙に使えば売り上げがアップする」という成功図式ができつつある中で、創刊2号目にして早速”奥の手”を使うとは……。
というのも創刊号は売り上げはともかく、内容の評判が芳しくないようです。ネット上でも「ポスト団塊ジュニア(20代後半~30代前半)が対象なのに、香里奈と山田優がメーンモデルじゃ若すぎ」「ウリの一つが、山田詠美のエッセイというのが古い」と厳しい声。
実際、「幻冬舎はファッション誌の作り方を知らないのでは?」(女性誌編集者)という同業者の声もちらほら。休刊が相次ぐ中で、あえて女性誌をつくった幻冬舎を応援したいところですが、果たして肝心の中身は……?
<トピック>
◎こんな時代に売れているもの!!
◎最後に勝つのはスタイルのある女
◎幸せな結婚スペシャルガイド
■有名人のインタビュー記事の”ビミョー”なメンツ
□9人の女、9つのキーワード
9人の有名人に「自分スタイル(生き方)」を語ってもらうインタビュー記事。登場するのは稲森いずみ、岩堀せり、知花くらら、BONNIE PINKなどのなんとも絶妙なラインナップ。ハデでもなく、知名度がないわけでもないけど……人生を語るインタビューってやはり人選が命。「あんな大変なことを乗り越えて、自分スタイルを確立させたんだな」って読者に思わせる人選じゃなきゃ、この企画が成り立たないのでは?
そんな中で抜群の”いい子ちゃん”なのが、ベッキー。相変わらず「神様は自分に乗り越えられる試練しか与えない」「出会う人すべてが、私の先生」など、”ご神託”ものの発言がてんこんもり。そんな彼女の人柄を「『ベッキーすごいぞ芸人』なる番組まで生まれるほどだ」と褒めてるんですけど、『アメトーーク』(テレビ朝日系)ってハッキリ言っちゃダメなの!? 巻頭に文学界の女帝・山田詠美のエッセイが載っている雑誌で、ヨイショのネタもとが『アメトーーク』って……。
■手取り30万以下は対象外!?
読者のお財布事情をチェックできる「みんなのお財布事情」のコーナー。先月号は手取り月収約50万円という参考にもならないサンプルだったけど、今月のサンプルは手取り月収が33万円……。支出の内訳も家賃が高いのはしょうがないとしても、食費が7万円(!)、貯金が8万円で、貯金総額は1,000万円。
目下の悩みは「結婚の際、相手に貯蓄額を打ち明けるべきか」「資産運用を銀行から執拗に勧められる」だそうです。悩むなら使っちまえ! 不況の際はこういう人にこそ消費してもらいたいですね!
■酸いも甘いも噛み締められる「結婚特集」
この季節は結婚式場などの広告が増えることから、女性誌はこぞって「結婚」特集を組むもの。そこにそれぞれの個性が出るのですが、「GINGER」流の結婚特集とは……。
「ウェディング・プラニング編」では、既婚の有名人へのインタビューや読者カップルの結婚までの道のり、ウエディングドレスや会場のなどの流行を押さえる無難な作り。でも「GINGER」の本流は「5段階・心理トレーニング編」にあるようです。
□まずは「結婚願望」の根っこを心理分析する
アンケートから浮かびあがった読者の声を集めたものですが、「不況の今だから『結婚』というリスクヘッジが欲しい」「仕事のスキルも信用もない。せめて結婚で社会に認めてもらいたい」「孤独死が怖い。できる限り安定した老後を送りたい」という回答の文字が尋常じゃないデカさで書かれています。こんな恐ろしい言葉の数々が紙面を埋め尽くしていて、まるで呪詛状!
□本気で結婚したい人が知っておくべき新事実を大公開
「既婚者たちがそっと教える、出会いの法則、相手の選び方、結婚までの道のり。目からウロコの新事実を大公開です」とのこと。期待はグングン上がる一方です!
「『長い彼と別れてスピード婚』する人が急増」「意外と大事な『SEXの相性』」「『復活愛から結婚へ』は実はアリ」「紹介のセッティングはアウトドアで成功率UP」
って手垢まみれのアドバイスばっかり! 結婚したい女子をバカにしすぎです。「この人たちに続け!」というアドバイスに挙げられたは、高嶋政伸・美元夫婦&森三中・村上夫妻。本当にもう、バカにしすぎです……。
全体的にまだまだ読者との距離感が大きい「GINGER」。来月号こそは共感できる紙面をお願いします!
ご神託の集合体
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