「いいことがしたい」自分探し番組が、あの恋愛バラエティにそっくり!?
今回ツッコませていただくのは、4月19日放送分の深夜のドキュメンタリー番組『ワンステップ!』(TBS系)。
「明日のために、誰かの笑顔のために、今、自分にできることをやってみませんか?」をうたい文句に、社会貢献活動をテーマとしている番組。観ているうちに不思議な気分になったのは、それが局もコンセプトも全く違うある番組に、「ニオイ」がそっくりだったから。
それとは、3月23日に終了したばかりの人気番組『あいのり』(フジテレビ系)である。
どう似ているかというと……。
この回は、宮崎県にある閉鎖されてしまう学校が舞台で、そこに4人がやってくる。それが「絵本作家を目指している書店員」「再就職活動中」「大学2年生でピアノを勉強中」「大学1年生」だ。
別に、彼らのふわっとした空気が似てるとか言いたいわけじゃない。
一人ひとりがうつるたび、「名前 (年齢)再就職活動中」みたいなプロフィールが登場するつくり。一般人だから仕方ないのだろうが、どうにも気になる。
さらに、閉鎖される学校に「最後の日、今、私たちに何ができるのだろうか」とやってきた彼ら、当然同校のOBなんだろうと思って見ていたら、
「え~~っ!? ここ?(校舎を見て) 可愛い!」
「もったいないねえ~、こんなにキレイなのに」
って……全くの赤の他人だったんですね! 自分がOBだったら、他人の力を借りず、地元の人間で支えたいと思いそうだけど……番組の趣旨を理解してなくて失礼しました。
でも、子どもたちに通学路の湧水を教えてもらったり、自然を満喫している様子は、普通のホームステイ、もしくは「田舎留学」にも見える。
そんななか、「いま、私たちができること」として彼らが取り組んだのは、「お掃除」! 「内容が普通すぎ」とかいう野暮なツッコミはこの際、置いておいて。
子どもたちとのささやかな触れ合いが次々と映し出されるなか、画面隅の小窓でMCの山口智充と佐藤隆太が見ているというつくり、久本雅美や今田耕司、加藤晴彦がのぞいてるように見えて、どうにも気になって仕方ない。
さらに、「あのとき僕は~~でした」といった回想コメントを一人一人抜くのも、『あいのり』とよく似ている。
そして、とうとう卒業式。ドキュメンタリーらしく、粛々と子どもたちの様子を映してくれたら良いのに……という願いもむなしく、子どもはちょろっとうつっただけで、あくまでカメラが向けられているのは「体育館の外で子どもたちを見守るボランティアさんたち」だった。
ああ、そりゃそうだよな、これって「子どもたち」にとって、あるいは閉鎖される学校にとってのワンステップじゃなくて、おそらく「社会貢献したい人」のための”自分探し的ワンステップ”なんだよな……なんて気持ちになってくる。
もちろん学校をキレイにしてもらって、大きく取り上げてもらって、彼らの厚意はありがたいだろうけど、この学校の卒業生たちには複雑な心境もあるだろうなあ……なんて気持ちでいたら、突然番組が終了。そして、次回予告では「夜空の下、グラウンドで何かを見上げて目をキラキラ輝かせる人々の顔が!!」って……まだ続くのかよっ!
(田幸和歌子)
ここで見つけた愛が、本物かどうかは分らないしね
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