祝・FUJIWARA初の冠番組のはずなのに……”くそ野郎”が救世主!?
今回ツッコませていただくのは、4月4日にスタートした『FUJIWARAのありがたいと思えっ!』(テレビ東京)。
これは、お笑い芸人・FUJIWARAの東京初の冠番組であり、東京初のレギュラー番組でもある。
人気ユニット「吉本印天然素材」解散後10年にして、ナインティナインは別格ながら、近年になって雨上がり決死隊、ほっしゃん。、宮川大輔が次々とブレイク。さらに、バッファロー吾郎も「キングオブコント」に輝くなど、「へびいちご」を除く天素の面々が全員活躍し、残るFUJIWARAはもうひと押し……という期待が高まった同番組。
だが、開始早々、ハラハラどきどき、緊張で胃が痛くなりそうな思いがこみあげてきた。
「初めてですよ、番組タイトルに僕らの名前が!」
それなりの芸歴があるにもかかわらず、落ち着きなく目を泳がせっぱなしに喋るフジモンの緊張感は、冒頭からMAXに達していた。
よりによって、低予算番組の悲しさか、固定カメラワンショットで、画面にアップで映し出されてしまったFUJIWARAの二人。緊張感は、ごまかしがきかない状態である。
「お祝いのメッセージ」として読み上げられたのは、宮川大輔、ほっしゃん。、蛍原、宮迫、さらにナイナイの二人まで……と豪華 な顔ぶれだが、そんな仲間たちがあげてくれる「笑いのトス」も、ただただ「受け流すだけ」のテンパリ具合。
さらに、唐突に、
「え? 曲いくの?」
露骨にカンぺを読むフジモンの視線には、明らかに「曲が割り込んでくれて助かった」という安堵感が溢れていた。
その後もしどろもどろで、落ち着きなくシャツの裾をいじったり、両手をすりあわせてみたりしている様子は、見ていて気の毒なほどで「いまどきシャイな人のお見合いだって、ここまでじゃないだろうに」なんて気分にもなってくる。
そして、息詰まる空気のなか中盤、ようやく「助け舟」が登場。
映画『ドロップ』の宣伝で現れた品川祐だが、幸か不幸かその後は品川のワンマンショー。
一人で喋り、一人で仕切り、両脇のFUJIWARA二人は、うなずいたり、ほほ笑んだりしているだけ。
まるでおしゃべりくそ野郎に番組を乗っ取られたような展開だが、二人にはそんな悲哀もあせりも微塵もない。
「しゃべりのうまい後輩が来てくれて助かった」と心底思っているようにすら見える。
実際、フジモンは本当にうれしそうに、品川にしなだれかかったり、途中、頬にキスする場面まであった。カメラ目線は一切ないままに……。
この異常な緊張感と、グダグダ進行、なんだろうと思ったら、「テレビ界初のラジオ番組」のようにも見える。
達者な喋りの人が「ラジオ仕立て」で構成する番組は他にあるが、喋りがしどろもどろな状態でラジオ番組をそのままテレビでやってしまったら……ああ……。
単独でスポットを浴びてこそ生きる「ギャグマシーン」原西と、「ガヤ」でこそ輝くフジモンにとっては重すぎる「司会業」。
1回でも長くこの番組が続くことを心底祈るばかりである。
(田幸和歌子)
コントは面白いのに。
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