芸能
[TVツッコミ道場]

キャラに矛盾!? ネガティブと煩悩の狭間で揺れる岸部四郎

2009/03/21 08:00
文章もネガティブ調の「四郎マンション」

 今回ツッコませていただくのは、いま最も旬の「ネガティブタレント」として注目される岸部四郎が出演した、3月14日放送分の『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)。

 借金地獄→自己破産以降、それを自虐的なウリにするようになった岸部四郎。

 最近では、「岸部四郎の四郎マンション」という名を付けておきながら、「これ俺のマンションじゃないからね」という恐るべきネガティブフレーズがタイトルを囲む自身のブログで熱烈なファンを獲得。そのブログが『やりすぎコージー』(テレビ東京系)において紹介されるなど、ますますネガティブさを売りに、ぐいぐいバラエティー番組などに進出している。

 そんな彼がゲストとして登場した同番組では、しょっぱなから清水ミチコの軽~いナレーションで「超~ネガティブ私生活が明らかに!」などと紹介されていた。

 例えば……。

 単に愛犬と戯れているだけの動画なのに、紹介コメントは「話し相手は愛犬」。

 米とぎをしているだけなのに、「自炊にも慣れてきた」とくる。

 あおりすぎじゃ? と思うが、本人もかなり乗り気らしく、不必要なまでに釜に顔を接近させて米をといでみせ、「鑑定士か!」というツッコミで締められていた。

 また、ベンチに腰かけているだけで「自然とため息が……」というナレーション。さらに、ダメ押しのようにこんな一言を呟く。

「超真っ暗よ~♪」

 なんだよ、ずいぶん楽しそうじゃないかと思って見ていると、話題はクラブでの女性との会話へ。

 そこでも、

「元看護師と話がはずんだ」「なんでもクスリの話、知ってるから。もう喋ること他にない」

などと、無理矢理ネガティブ方向へ持っていく岸部。

 さらに、あややと、同じくゲストの矢口真里が隣に密着し、犬の話を振ったりしても、「若い子はドキドキする……心臓に悪い」と、ネガティブ路線はなかなか手ごわい。

 ところが、そんな固い壁を一瞬にして打ち砕いてしまったのが、レギュラー・高畑淳子の天然のスットンキョー攻撃だ。

 岸部が連載しているという『週刊実話』(日本ジャーナル出版)の話題になった途端、これまで黙って話を聞いていた高畑は一言、大きな声でこんな質問を放ったのである。

「ああ、袋とじとか!?」

 この思いがけない攻撃で、これまで懸命に封印してきたものが解かれ、維持してきたキャラを忘れてしまった岸部。

「そうそう! あの雑誌もそういうのけっこうあるの(ニヤリ)」

 周囲に一斉に「見てる見てる!(笑)」「枯れてない!(笑)」とツッコまれる悲惨な展開になっていた。

 勝手に「ネガティブ教祖」みたいに持ち上げられ、注目されてはいるものの、おそらくまだ本人のキャラ設定にはいろいろ矛盾があるのだろう。

 「ネガティブ」という戦略と、根強く残る「煩悩」との間で揺れ動く岸部四郎が、今後どこへ向かうのか……要注目である。
(田幸和歌子)

『いまさらシロー』

熱烈なファンも多いよう


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最終更新:2009/03/21 08:00
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