キャラに矛盾!? ネガティブと煩悩の狭間で揺れる岸部四郎
今回ツッコませていただくのは、いま最も旬の「ネガティブタレント」として注目される岸部四郎が出演した、3月14日放送分の『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)。
借金地獄→自己破産以降、それを自虐的なウリにするようになった岸部四郎。
最近では、「岸部四郎の四郎マンション」という名を付けておきながら、「これ俺のマンションじゃないからね」という恐るべきネガティブフレーズがタイトルを囲む自身のブログで熱烈なファンを獲得。そのブログが『やりすぎコージー』(テレビ東京系)において紹介されるなど、ますますネガティブさを売りに、ぐいぐいバラエティー番組などに進出している。
そんな彼がゲストとして登場した同番組では、しょっぱなから清水ミチコの軽~いナレーションで「超~ネガティブ私生活が明らかに!」などと紹介されていた。
例えば……。
単に愛犬と戯れているだけの動画なのに、紹介コメントは「話し相手は愛犬」。
米とぎをしているだけなのに、「自炊にも慣れてきた」とくる。
あおりすぎじゃ? と思うが、本人もかなり乗り気らしく、不必要なまでに釜に顔を接近させて米をといでみせ、「鑑定士か!」というツッコミで締められていた。
また、ベンチに腰かけているだけで「自然とため息が……」というナレーション。さらに、ダメ押しのようにこんな一言を呟く。
「超真っ暗よ~♪」
なんだよ、ずいぶん楽しそうじゃないかと思って見ていると、話題はクラブでの女性との会話へ。
そこでも、
「元看護師と話がはずんだ」「なんでもクスリの話、知ってるから。もう喋ること他にない」
などと、無理矢理ネガティブ方向へ持っていく岸部。
さらに、あややと、同じくゲストの矢口真里が隣に密着し、犬の話を振ったりしても、「若い子はドキドキする……心臓に悪い」と、ネガティブ路線はなかなか手ごわい。
ところが、そんな固い壁を一瞬にして打ち砕いてしまったのが、レギュラー・高畑淳子の天然のスットンキョー攻撃だ。
岸部が連載しているという『週刊実話』(日本ジャーナル出版)の話題になった途端、これまで黙って話を聞いていた高畑は一言、大きな声でこんな質問を放ったのである。
「ああ、袋とじとか!?」
この思いがけない攻撃で、これまで懸命に封印してきたものが解かれ、維持してきたキャラを忘れてしまった岸部。
「そうそう! あの雑誌もそういうのけっこうあるの(ニヤリ)」
周囲に一斉に「見てる見てる!(笑)」「枯れてない!(笑)」とツッコまれる悲惨な展開になっていた。
勝手に「ネガティブ教祖」みたいに持ち上げられ、注目されてはいるものの、おそらくまだ本人のキャラ設定にはいろいろ矛盾があるのだろう。
「ネガティブ」という戦略と、根強く残る「煩悩」との間で揺れ動く岸部四郎が、今後どこへ向かうのか……要注目である。
(田幸和歌子)
熱烈なファンも多いよう
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