石原真理子と玉置浩二結婚に見る、おばさん作家の熱い思い
通常、このコラムは筆者が好きな人、気になる人を取り上げるコラムであるが、今回はあえてまったく気にかけていなかった人を取り上げようと思う。それは石原真理子(45歳)と玉置浩二(50歳)である。気にかけてなかったというか、チラッとテレビで見たのだが、一目見て「もう見たくない」と目をそむけていたというか、本能的に「ヤバイ」と思って見なかったことにしていたというか、そんな気持ちでした。
ところが、このニュース、彼らと同世代の女性にとってはけっこう熱いニュースだったらしい。「厚顔で・嫌い・でも気になる」の3Kおばさん作家、岩井志麻子(44歳)と林真理子(54歳)がこの電撃復縁入籍について触れていた。それがおもしろかった。当のカップルよりそっちの方が興味深かったので、ぜひご紹介したい。
まず、岩井志麻子。石原真理子と同年生まれの作家としてコメントを求められ、次のように感想を述べた。
「2人を見て浮かんできた言葉は、『割れ鍋にとじ蓋』でした。廃品回収みたいというか」
「見ているとだんだん気の毒な人を応援するような気分になってきて、『あんまり言っちゃかわいそう』とか、『お互いが幸せならいいじゃない』と思っちゃいますね」
「一緒にいることによって、互いに自分の’80年代絶頂期を思い出させてくれる」
「こんなに美しい割れ鍋にとじ蓋はないと思うんです」
(「女性自身」3月17日号/光文社)
「廃品回収」とはかなり辛辣だが、きっと自身と重なる部分があるんだろうな。回収……してもらったもんねえ、去年。お互いが幸せならいいよ、確かに。うんうん。最後は「2人だけで幸せに暮らしてほしい」とご丁寧な”祝福”の言葉で締められていた。一方、林真理子は自身の連載コラムで「いい話だ」を連発。
「本当にいい話だ! 最近このように嬉しい芸能ニュースを聞いたことがない」
「これは中年女たちをいたく興奮させ、喜ばせ、連日のワイドショーのトップを飾っている」
「何度も言うようであるが、これは本当にいい話である」
「二十三年ぶりに会ったら『奇跡』が起こり、もう若くない二人は再び愛し合うようになるなんて、しつこいようだが、本当にいい話ですよね」
(「週刊文春」3月12日号「夜ふけのなわとび」/文藝春秋)
林はかつて石原の奇行を批判してきたが、それでも昔の男と23年前ぶりに結ばれるという「奇跡」は祝福に値するらしい。私も昔の男と再会したら……と夢を見る女が、林先生のまわりに「何人も」出現したんだってさ。あがっても女子は女子なんだな。将来、こんなアゲージョになっちゃうのかな。いやだな。
筆者は前回、宮沢りえの生き様と自身の10~30代を重ね合わせた。世代が変われば、当然ながら投影する対象も変わる。ぷっつんカップルにだって自己を投影できる人もいれば、ひとときの夢を見られる人もいるのだ……と思わぬところで驚いた一件だった。
(亀井百合子)
亀井百合子(かめい・ゆりこ)
1973年、東京都の隣の県生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスライターに。ファッション誌やカルチャー誌のライター、アパレルブランドのコピーライターとして活動中。
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