NHKの自虐ネタ番組で「やっちまったな」な空気に?
今回は、1月31日放送の『TVソムリエ 謎の屋台2』という、NHKの番組に、ツッコませていただきます。
この番組をなんでわざわざ見る気になったのかというと、番組紹介欄にこんな感じのことが書かれていたから。<NHKの番組を自らおちょくったら!?>……キケンな香りがプンプンする。しかも、自分で「ソムリエ」なんて名乗っちゃってるし。見る前から「やっちまったな」臭であふれる番組を見てみた。
番組は、渋谷のNHK放送センターの建物にかぶさってのテロップ&ナレーションから始まった。
「もしも NHKの番組を見ることができる屋台があったら……」
……屋台って。なぜ屋台じゃなきゃいけないのかとツッコんでいると、スタジオに置かれた屋台に客がやってきた。その面子は松尾貴史、木村祐一、モデルの益若つばさ。後から佐藤唯が加わった。「おちょくり」担当としての松尾とキム兄という人選はいい感じで、ようやくちょっと期待がもてそうな方向に。というか、朝ドラ『ちりとてちん』のレギュラーだった2人だ。キム兄が開口一番、こんなことを。
「NHKで、楽屋にビールが置いてあったから、ビックリしたんですよ!」
そりゃあ確かにビックリだ。「無礼講」ムードの演出に成功か。
そのビールとおでんを食べながら、番組は進んでいく。まずは養護学校・学級向けの番組で、ヒーローモノ仕立ての『ストレッチマン2』を3人で鑑賞。
「ストレッチマン一筋何十年で、将来紫綬褒章もらうかもわかりませんよ」(松尾)
と、持ち上げる。かと思えば、体操を毎回紹介するストレッチマンだけに体がやわらかいだろうということを話題にしつつ、VTRのストレッチを見て、
「わりとカタイ」(木村)
と、笑ったり。そんなゆるめの空気は、DVDの特典で時々ついてくる出演者が作品見ながらしゃべくる「オーディオコメンタリー」的なノリ。
続いて、屋台と全く関係ない街頭インタビューのコーナーになり、NHKのイメージを視聴者に語ってもらう。しかし、いきなり警備員のオジさんが「NHKってホントつまんねえよな」と言えば、後に続く人たちが受信料についての苦情を言うなど、”自虐ネタ”を披露。それでどうしたいのかと思えば、ナレーションで言い訳した。
「厳しいお叱りもありますが、NHKからもひとこと言わせてください」
NHK側から「こう見ればおもしろい」という呈示をされたのが、『のど自慢』に出たくて奮闘するという男性の密着ドキュメンタリー風のVTR。「少しでも『のど自慢』のために時間を費やしたい。地元に戻って、『のど自慢』に人生を賭けることを、誓った」といった朗読風のナレーションまでかぶせられたりして、思い切りチャンネル変えたくなった。長い。
そんな素人の挑戦についての感想が、延々と屋台でも続いてしまってる中、
「オレもそろそろ無関心なんやけどなあ」
と言ってくれたキム兄。ちょっと赤い顔だ。
松尾にいたっては、大河ドラマ『天地人』のオープニングが流れる中でトイレに行ってしまったり、平泉成と高嶋政伸が映った場面では「お前は『ホテル』へ行けぇ~」と、平泉のモノマネでアテレコしたりと、「おちょくる」というコンセプトに沿って大サービス。しかし、そもそも自虐ネタに慣れていないNHKゆえか、キレのあるおちょくりにはなかなかならず、その場がゆるっとした笑いにしかならない。そして「NHKもいろんな番組、やってんじゃね?」というナレーションの一言とともに、ゆるっと終了してしまった。
真面目なおじさんが、無理しておどけてみせてくれたような番組。見ててちょっと痛々しかったので、いつものような「真面目なおじさん」のままでいてください。あと、どうでもいいが、うまそうなおでんとビールも受信料から捻出したのか?
(太田サトル)
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