9代目を襲名してもやっぱり思うこと……「こぶ平のくせに」
「林家こぶ平」改め「林家正蔵(9代目)」――どうにもこうにも、この呼び名がしっくりこなくて、いまだに「こぶ平」と呼んでいる人はおそらく日本人のほとんどではないだろうか。
本日ツッコませていただくのは、そんな彼が生放送司会を務めているバラエティ・情報番組、1月7日放送分の『スパイスTVどーも☆キニナル!』だ。
「え~っ、こぶ平が司会!?」
名前を聞いただけで、観る前に反射的に眉間にシワを寄せてしまった人もいるだろう。でも、先入観はいけません。 意外にも、私たちの知らない「ニューこぶ平」、いや、名前に負けないしっかりした「林家正蔵」ぶりが観られるかもしれないではないか……そう思いつつ、早3カ月が過ぎた。
今のところはやっぱり、こぶ平はこぶ平でしかなく、それどころか、ますますこぶ平だ。
なんだかよくわからない表現だが、胸の奥からフツフツと湧き上がるこの感情、どう説明したら良いんでしょう。観れども観れども、口から出てしまう独り言は、やっぱりこのセリフ。
「こぶ平のくせに……」
「のび太のくせに生意気だ」という理不尽きわまりないお約束のセリフと同じくらい、自分でもいけないこととは思いつつ、彼の一挙手一投足に、理屈抜きでイラッとする。
たとえば、日替わりで料理の先生が登場する「キッチンde SHOW」――この日は菰田欣也先生がヤキソバにミートソースをかけた料理を紹介していたが、カウンターの前でただ座って見ているこぶ平の茶々の、いちいちうるさいこと。
「ここで水を入れます」(先生)
「お酒を入れる場合もあるでしょ?」(こぶ平)
「そうですね。今日は水を用意しているので、水で」(先生)
「あははははっ」
なんで勝ち誇ってんの!? 料理番組では「今日は○○を使用しますが、別に水でも良いんですよ」なんて省略系・ズボラ系を紹介することは多々あるが、水で良いと言ってるのに、わざわざ酒を持ち出さなくても良いだろうに……。
さらに、先生が調理している間中、「ねえっ! これって川越先生(金曜担当の料理の先生)のパクリだよね!? 川越先生のパクリだよね!? 川越先生のパクリだよね!?(爆笑)」
私だったら瞬時に「何回言うんじゃ!」と、どついてるところだが、笑ってやり過ごす菰田先生の大人度にはつくづく感心してしまう。
「司会」という名のもとに、どうでもいい揚げ足とりばかりして、口調も「~だよね~」「~じゃんっ!」などと実に馴れ馴れしく、相変わらずの舌足らずでべちゃくちゃ喋るこぶ平。
観ている側が、何かを蹂躙されたような気分にすらなってしまうこの番組、やっぱりいけないと思いつつも、どうしても言わずにはいられないのだ。
「こぶ平のくせに……」
(田幸和歌子)
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