コラム
[連載] 水谷舞の合コン四季報

マンガのような口説き方に見る、ゴールドマン・サックス男の真髄

2009/01/29 17:30
“合コン総研アナリスト”水谷舞がお送りします
合コン必勝服の全身コーデ解説は以下より

――元JALのCAで、合コンでお相手した企業は150社以上!の自称”合コン総研アナリスト”水谷が、実地調査(=合コン)をベースに上流メンズを辛口ジャッジ!

 合コンを通して、一流企業のメンズを辛口評価する当企画。まず、ご登場願う企業は、外資系投資銀行ゴールドマン・サックスです。

 ゴールドマン・サックスといえば、1000万円以上の基本給に、成績に応じて賞与が1億円以上出ることもざらという、マンガのような会社。そんな会社に勤める、合コンのお相手A氏(40歳過ぎ)は、オフィスも住居も六本木ヒルズで、石田純一レベルの正統派のビジュアルの持ち主という、これまたマンガのような男でした。

 彼らが叡智を駆使して金融マーケットを動かすさまは、なんとも華やか。一方、同社勤務のAさんの口説きテクも実にあっぱれなものでした。


 あれは約3年前。2泊3日、ド満席の国内線フライトから帰着すると、同期から合コンのお誘いが! 「今夜、六本木ヒルズでホームパーティーあるんだけど行く?」「行く行く♪」。合コン総研アナリスト・水谷の出動です!!

 ホームパーティーという名の合コンの主催者でもあり、ヒルズのレジデンスの主でもある40歳過ぎのA氏は、程よく日焼けしたソフトマッチョ体形。室内はモデルルームと見まごうほどの洗練された空間。大画面液晶テレビ、上質な革張りのソファ、バカラのワイングラス……。

 さすが金満、もといゴールドマン! 参加メンバーである同僚の男性陣からは嫉妬、女子陣からは羨望の眼差しを向けられ、ご満悦のA氏。そんな彼が、自ら美味な手料理を振る舞う形式で合コンはスタートしました。通常、この手のホームパーティーは、女子が料理の準備をするなど、甲斐甲斐しく働くことで「嫁力」を競う部分がございます。ところが、女子陣はその醜い戦争から解放されたことで心底リラックス&A氏へのポイントアップ。また、一度ホームパーティーを開いておけば、お気に入りの女子を次回から家に上げるための敷居も低くなります。

 高級ワインを惜しげもなく空けて、会話は次第にエスカレート。そして、いよいよA氏が、私の横にいたプライド高めの同期のCAに食らいつきました。

「オレは女優の●●と会ったことあるんだけど 、ガリガリ過ぎて好きじゃないね。君のほうがグラマーでセクシーだよ 」

 最初に持ち出したのが、「美人女優<君」という単純な不等式。しかし、水谷の分析によれば、これがそこそこ深い。まず、暗に交友関係の広さをアピール(どこかのパーティーで見かけただけだろうに)。

 また、自分はイケてると自負する女性ほど、「相手が貶められて、自分がアガる」こうした言葉が大好きですぐに悦に入ります。

 さらにA氏のトークは続きます。

「先月彼女と別れたんだ。あの子といてもつまんないし、すぐ俺の家に上がり込んじゃう軽い子なんだよね。だけど君はシッカリしている。今度、家で一緒にDVD見ない?」

 もう誘った! 元カノを軽いと批判しながら、家で一緒にDVD、とは……深そうで浅いこのパラドックス。そこに説得力を持たせてしまうところが、さすがトップ営業マンです。さらに、その自信は、上から目線のこんな言葉につながります。

「君さ、そんな服着てきちゃダメでしょう。そんな胸の谷間の見える服を着ていたら、ソレ目的の男しか寄ってこないよ」

 キャバ嬢相手によく聞きそうなトークですが、褒められ慣れている自尊心の高い女性にとって、このお説教は新鮮。しまいには、「私のことを真剣に考えてくれているんだ」と、勝手に言葉の中に父性すら見だします。そして「ムチの後には、アメ」が鉄則。とどめの一言がこれ。

「君の魅力は、もっと別な部分にあるよ。ありのままの君を見てみたい」

 ここまでベタな台詞を言えるようじゃないと、自己チューな外資系金融企業なんかには勤められません。

 うさん臭さがつきまとう高利回りの金融商品よろしく、計算され尽くされたパーティー形式の合コンと口説きテク。A氏は見事、このCAを落としたようですが、この程度の男に落とされちゃう女ってどうなんでしょ?

◎合コンメンズ判定 ★★☆☆☆
 華麗なるテクの割りには厳しい判定。その理由はA氏の”その後”にありました。最近のA氏は赤いフェラーリを乗り回し、葉山の別荘に女性を片っ端から誘っているのだとか。ところが! なんとフェラーリは借り物。別荘も他人のもので、入り口に彼の表札を張り付けてしまったという話が発覚! A氏は景気悪化で年俸が激減し、ヒルズから一転、都内ワンルームマンションでひっそり暮らしているのが現状。ビジュアルと口説きセンスは抜群だっただけに、表舞台からの撤退は残念! 再起のエールを込めた★2つです。

◎今回の合コン必勝服
 CA好きな男性向け(お医者様、商社マン)。合コンは上半身勝負、ゆえに華やかなフェロモンピンク。でも、足フェチ用に生足チラ見せの全方位外交。

水谷 舞(みずたに・まい
 大学卒業後、日本航空入社。NY、パリ、ミラノ便など、国際線ビジネス、ファーストクラスを中心に約5年間乗務。現在はレポーター、女優業の傍ら、「合コンは最高のエンターテインメント」をモットーに、”合コン総研アナリスト”として活躍中。公式ブログ「MY FAVORITE THINGS」も随時更新中。

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最終更新:2019/05/17 21:14
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