コラム
外見オンチ応援カウンセラーの「脱・恋愛オンチ」 第4回

“外見オンチ”は逃れ得ぬ宿命!? 江原啓之のスピリチュアル処方箋

2008/12/16 11:45
『本当の幸せに出会うスピリチュアル処方箋』
(三笠書房)

――美人でない人=外見オンチが、「美の格差社会」の中で、自分らしく生き抜くためにはどうすればいいのか? そこいらの美人だけが取り柄のエッセイストには書けない建前抜きの恋愛論。

 『第2の江原を探せ!』(扶桑社)を出版した。「外見オンチ応援カウンセラー」のわたしも著者のひとりで、これはニュースサイト「MyNewsJapan」で連載していた、「江原啓之さんに続く、スピリチュアルカウンセラーは誰だ!」という趣旨の企画をまとめたもの。著者5人(MyNewsJapanスピリチュアル検証チーム)が、霊界はあるのか、一生変わらない守護霊は誰? 直近の前世は?と、霊能者たちに聞きまくっている。

 わたしは、ホリエモンが頼ったカウンセラー、江原さんの元弟子、超有名野球選手ご贔屓の人など17人の”霊能者”に会って、「わたしの次の恋愛は?」と聞きまくった。


 次の恋愛相手の顔まで視えた人もいれば、わたしの顔も雰囲気もわかっていない電話鑑定で、男の好みをズバリ指摘してくれた人もいた。

 いちばん驚いたのは、かつて好きだった男性がわたしのために描いてくれたこの世に1枚しかない、自宅にしまっていた油絵を描かれたこと。色や構図といい、「なんで自宅にある絵が視えるの?????」。それも、ひいおじいちゃんが視せているとか。これには、参ってしまった。

 かと思えば、前の男が、わたしの子宮の部分のエネルギーを押さえているので、「次の恋愛にすすめない」と、男の念をシュシュシュとすぐにとってくれたわけのわからない”霊能者”や、スピリチュアルカウンセリングなのに、恋愛を誕生日から占ってくれた人もいた。

 顔にまつわる、わたしの過去世も出てきた。

 時代は2500年ほど前のインド。5、6人の男性が美しいわたしを自分だけのものにするために、争っているのが視えるとか。それで、ひとりの男性が亡くなった。そして、それに傷つき、自分の美しさを呪うようになってその後、剃髪し、出家。

 前世話は検証のしようがないけれど、かつて美人で、モテモテだったことがあったなんて……。「そんなの覚えていないよ????」。これも、興味深かった。酒の席に打ってつけの話だ。

 17人の”霊能者”に視てもらった後、わたしの次の恋愛はどうなったのかは、本著を読んでいただくとして。

 江原さんは、物質的価値観が問題だと力説していて、容貌もそのひとつだと言っている。著書『本当の幸せに出会う スピリチュアル処方箋』(三笠書房)に、「外見オンチ」への処方箋がいくつか書かれている。

【容姿にも意味と価値がある】人は、生まれてくるとき、自分自身のたましいの課題にぴったり合う容姿を選んできます。持って生まれた容姿にも、意味と価値があるのです。

【美容整形】美容整形では、心まで手術できません。美容整形の手術を何回しても満足できないという人もいますが、その人に必要なのは外見のケアではなく、心のケアが必要です。「自分はきれいじゃない」と思い込んでいる、その心をケアする必要があるのです。

【いい顔の人】人間の顔には、その人の人生観が表われます。年をとればとるほど、自分の顔に責任を持たないといけません。シワがあっても美しい人はたくさんいます。顔に人格や生き方が表れるのです。

 さらに、「容姿には内面が反映されるので、内面のスピリチュアリティを高めることが大切」「どんな容姿でも磨けば必ず光る」とも。

これらのことは、ことばを変えて「外見オンチ」が常に言われてきたこと。おそらく心理カウンセラーらもこの域から出ていない。

 「本当の幸せ」を顔、容貌に求めている人には、この処方箋はまったく届かない。内面のスピリチュアリティを高めた後の「本当の幸せ」が何か伝わってきたら、その処方箋は「外見オンチ」にもぐっと届くはず。だが、美の格差社会で、「ブスを生き抜きなさい」の処方箋は万人に有効ではない。説得力、時間がかなりかかる。

 『幸運を引きよせる スピリチュアルブック』(三笠書房)では「基本的に、私は美容整形には反対です。けれど、全否定もしません」という立場を伝えた上で、スピリチュアル・ボディ(肉体とその上に重なっているアストラル体が合わさって、人をかたちづくる)は美容整形をしても変わらないと述べていた。

 さらに、「肉体が死んだとき残るのは整形した顔ではなく、自分本来の顔です。忘れていた自分本来の姿を見たとき、魂がパニックになる可能性があります。それは、心にとめておいたほうがいいでしょう」「死後の世界まで考えるなら整形は意味がないということです」と霊的世界の話に及んでいる。

 これらも現世では答えが出ないから、もっと時間がかかる処方箋だ。

 ”スピリチュアル”と聞けばお気軽そうだが、「生まれついての容貌は宿命、受け容れなくてはいけない」と自己責任を問うスピリチュアリズムはけっこう厳しいメッセージだ。

 厳しい感じがしないのも、女性にこんなにも受け容れられているのも、江原さんが”男おばさん”キャラクターだからである。

山中登志子(やまなか・としこ)
1966年生まれ。編集家。占いスペース「桜」(新宿西口)、「通販あれこれ」経営。お茶の水女子大学卒業後、リクルート「就職ジャーナル」、「週刊金曜日」編集部に在籍。200万部ベストセラー『買ってはいけない』の企画・編集・執筆者。『外見オンチ闘病記』(かもがわ出版)出版後、外見オンチ応援カウンセラーとして活動開始。(※占いスペース「桜」でご予約の際、「サイゾーウーマンを見た」と言っていただいた方は、どの先生の鑑定も10%OFFになります)

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最終更新:2019/05/17 21:04
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