オジサマ好き大興奮! 有名3シェフの月イチ交流会
今回ツッコませていただくのは、NHKの12月9日放送分『生活ほっとモーニング』。
この日は月に1回放送される「枯れ専」「オジ好き」垂涎(?)の人気企画が行われていた。それは、「夢の3シェフ競演」というもの。
落合務(イタリアン・ラ・ベットラ・ダ・オチアイ オーナーシェフ)、孫成順(中国料理・中國名菜 孫 店主)、中嶋貞治(日本料理・新宿割烹 中嶋 店主)という有名シェフ3人が登場し、1つの食材を調理してみせる、まさに「夢の競演」なわけだが、見どころは料理だけではない。
各ジャンルの「大物」が一堂に会すること自体スゴイことだが、この3人、この番組で毎月1回集まっているものだから、どこかしらサークル活動のような結束力、仲の良さがあるのだ。
一人が調理するとき、残る二人は対面でジーッとその様子を見守る。その見守る姿勢が、ちょっと可愛い。
みんなそれぞれのジャンルでは名だたる料理人なのに、別のジャンルの調理法は物珍しいようで、口をポカーンとあけて眺めたり、子どものように前のめりの姿勢でかぶりつきで見ていたかと思うと、「これ、どのくらいの茹で加減なの?」と、脇からちょっかいを出したりする。
この日はクリスマス・年末に向けた手軽なごちそうがテーマで、食材は「鶏」だったのだが、和食の中嶋シェフが擂り鉢(すりばち)と擂り粉木(すりこぎ)を出し、鍋用のつくねを作るときには、なんとイタリアンの落合シェフが乱入!
イタリアンのあの落合シェフが、嬉しそうに、擂り粉木でゴリゴリと挽き肉をするなんて、そうそう見られることのない名(迷?)場面ではないだろうか。
これには中嶋シェフ、「落合さんにやらせるなんて、バチあたっちゃう。『あの野郎、ラクしやがって』って言われそう(笑)」と恐縮していたが、「落合さん、やっぱり普段、擂り鉢とか使うことは?」とアナウンサーに聞かれると、「いや、全然ない。だから、これ、ちょっと興味があって……」と落合シェフ。その姿は、まるでお母さんのお手伝いをする子どものように見えて、なんだか微笑ましいのだった。
さらに、便乗した中華の孫シェフが「手伝いましょうか」と言うと、中嶋シェフは「いや、いいです(キッパリ)」という馴れ合いの”お約束”もできあがっている。
畑違いとはいえ、それぞれに料理の世界のトップに立つ3人が、「ほ~」「美味しいねっ」「やっぱりアンをかけると、さっきの倍、美味しくなるね」などと子どものように素直に感心しあうこの番組。互いに尊重し合い、認め合い、ときにじゃれ合うおじさんたちの姿を、母のような気持ちで眺めてしまう番組なのでした。
(田幸和歌子)
【関連記事】 板東英二が見せてくれた、リアル「笑いながら怒る人」
【関連記事】 司会者も圧倒!? ムキムキ・照英の意外なレポート能力
【関連記事】 「ミシュラン」に任せておれん !? ”日本発”のレストラン格付け本登場