コラム
外見オンチ応援カウンセラーの「脱・恋愛オンチ」 第3回

夏川純の年齢詐称で困った人

2008/12/10 08:00
ジャケ写をイジルのは業界では当たり前です
が…… DVD『Breeze』/夏川純

 フジテレビ『ビューティー・コロシアム』は、容姿コンプレックスを解決していく視聴者参加番組。最近では「’08秋奇跡の大激変SP」(2008年11月11日放映)が放映された。

 司会の和田アキ子、タレント(ビューティーコメンテーター)らが、相談者の容姿コンプレックスの悩みについて聞き、スタジオで意見を交わす。美容外科医、エステティシャン、メイクアップアーチスト、ヘアメークアーチスト、スタイリストらのプロフェッショナルが相談者を”美しく”する方法を提案。スタジオ、視聴者たちも、相談者の「ビフォアー・アフター」の変身ぶりに驚く。かならずしも、美容整形ありきではない。

 かつて、ビューティーコメンテーターに、グラビアアイドルの夏川純が出ていたことがあった。


 夏川純といえば、2007年春、3歳サバを読んでいたことが「東京スポーツ」(07年2月26日付)の一面で報じられ、話題になった。その3カ月前、「週刊現代」(06年12月16日号)が「夏川純23歳 年齢も顔も違う!」という記事を掲載している。

 「高校時代の同級生達は八〇年生まれで二十六歳と証言しています。この事実を、所属事務所は把握していたんですか?」という編集部の質問に、夏川純の所属事務所は「そういう事実はまったくございません。彼女は八十三年生まれです」と答えていた。

 その後の「東京スポーツ」の疑惑報道の後、TBS『アッコにおまかせ!』(3月11日放送)に出て、「本当に23歳です!」とにっこりピースサイン。年齢詐称を否定し、5歳年上の姉と間違えたのではとも言っていた。

 しかし、この全国放送での完全否定の10日後、自身のブログで年齢詐称を謝罪することになった(3月22日)。「今の事務所に移った時、スタッフと相談して名前も変え、生まれ変わったつもりになり、また、10代の方々に応援してもらいたい気持ちが強く、19歳ということにしてしまいました」というのが、夏川純の年齢サバ読み理由。その後、バラエティ番組で自虐ネタにしていた。

「年齢をごまかしていました」と告白した女性タレントは多い。売れていなければその事実は出てこないが、詐称が話題になるのはある程度露出しているタレント。女性が多い。

 江角マキコも年齢詐称を告白し、いつの間にかわたしと同じ年齢になっていた。年齢詐称でメディアに追っかけられた人は、思い出すだけでも三井ゆり、岡本夏生などが浮かぶ。インリン・オブ・ジョイトイの場合、事務所は「営業用のプロフィール」と言い放った。夏川純も含め、年齢詐称はおそらく本人の意志というよりも、事務所の戦略だろう。詐称疑惑が出たときの対応も、インリンの事務所の戦略のほうが面白い。

 年齢詐称を続けていくには、家族や同級生も巻き込んで過去との調整が必要だから、かなり大変なことだ。

 「若いね」と言われて喜んでいても、見た目が若く見えるというだけで、実年齢が変わるわけではない。顔のスタートラインは平等ではない。だが、年齢だけは唯一、平等にやってくるものだ。

 「夏川純年齢詐称」事件で誰が困ったか。結局、困ったのは本人。それしか浮かばない。事務所だって宣伝になっている。年齢を詐称していなければ、「週刊現代」で「年齢も顔も違う!」と美容整形疑惑を取り上げられることもなかったかもしれない。「週刊新潮」(2008年5月1・8日号)の特集「なぜか顔が変わった芸能人」でも、夏川純の名前があがっていた。

 夏川純は、美容整形番組『ビューティー・コロシアム』にどういう立場で、どういう意識で出ているのだろうか。

 芸能界の美容整形疑惑の話題はつきないが、変身した彼女、彼らは、交際相手に「顔をこんなに変えたんだ」「胸も大きくしたんだ」と告白をするものなのだろうか? それも、どういったタイミングで言うのか。それとも、言わずじまいなのか。あるいは、お互いが美容整形をしている場合は、暗黙の了解なのか。

 わたしが興味あるのは、『ビューティー・コロシアム』での変身後の相談者の今、そして、美容整形疑惑が濃厚な人たちの恋愛遍歴。とくに、美容整形タレントの恋愛の幸せ度合い調査は、「外見オンチ」のためにもやってみる価値がある。

 といっても、日本では美容整形のカムアウト組は、安達有里(安達祐実のママ)などごく少数。それも若い女性はほぼいないから、疑惑の範囲における調査となる。

 「外見オンチ」として、「年齢も顔も違う!」過去を指摘された夏川純の今後の幸せ度合いに注目してみたい。

山中登志子(やまなか・としこ)
1966年生まれ。編集家。占いスペース「桜」(新宿西口)、「通販あれこれ」経営。お茶の水女子大学卒業後、リクルート「就職ジャーナル」、「週刊金曜日」編集部に在籍。200万部ベストセラー『買ってはいけない』の企画・編集・執筆者。『外見オンチ闘病記』(かもがわ出版)出版後、外見オンチ応援カウンセラーとして活動開始。(※占いスペース「桜」でご予約の際、「サイゾーウーマンを見た」と言っていただいた方は、どの先生の鑑定も10%OFFになります。)

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最終更新:2019/05/17 21:04
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