ジャニーズマンガ必読コレクション【事務所”非公認”マンガ編】
カミセンの感動物語になるはずが……
『V6 ミラクル・ロード』
篤穂 歩/蒼馬社(02年)/648円
【ジャニ萌え度……★★】
V6メンバーの生い立ちや結成秘話などを追った作品。森田剛、三宅健、岡田准一が3人とも母子家庭で、”お母さんを守るんだ”的な思いでジャニーズに賭けるという物語はそれだけで感動的ではある。
しかし、キャラが本人たちに似ておらず誰が誰だか区別がつかないので、物語に入り込めない。さらに、誰かがケガをした後の「俺たち仲間だ、助け合ってがんばろう」的な流れも陳腐。なんだか惜しい作品である。
美化120%正統派ジャニ王子の物語
『慎吾★光一★タッキー 光の国の王子さま』
尾花有理/蒼馬社(02年)/648円
【ジャニ萌え度……★★★★】
王子さまっぽい人をピックアップして組み合わせる、というアイデアが斬新。絵柄もそれなりにお耽美系で、正統派ジャニーズ(若干ヅカっぽい)の世界観が味わえる。
ストーリーは各人の半生を追った変哲のないものだが、タッキーの物語では、99年に飲酒喫煙した未成年Jr.が解雇された事件にも触れられており、タッキーが『ミュージックステーション』で謝罪したシーンも描かれている(もちろんタッキーは飲酒喫煙には無関係という設定)。
アノ人のアノ疑惑について描いた問題作
『ジャニーさん 光GENJIへ総集編』
鶴田康文/データハウス(90年)/951円
【ジャニ萌え度……★★★★★】
とにかく絵柄も話も下品。ホモセクハラと金がらみのネタばかりの4コママンガ集。”ジャニーさん”が「うーん、すばらしい!」と赤ちゃんの股間をのぞくとか、「ジャニーさんは楽器がまったくダメ!〈中略〉しかし、古典的なシャクハチだけはうますぎる」とか、何から何まで下品。
ネタ元となる報道など、解説がところどころに挿入されているのが妙に親切だが、ジャニーズのウラ側を知りたい人にはおすすめの、問題多き作品だ。
まだ飛んでいっちゃう前の剛に出会える
『KinKi Kids 炎のスパーク』
亜都夢/蒼馬社(00年)/648円
【ジャニ萌え度……★★★】
メンバーが2人なので、1人あたりに結構なページを割いてエピソードが描き込んである。写真と違って適度に美化されているせいか、「そういえば堂本剛って、昔はこんなふうに、ふつうにかわいい子だったよね……」と素直に懐かしむことが可能。剛の輝かしい部分だけを集めたメモリアルマンガとしてアリなのでは? 最終章は、イラストの上に2人の言葉や曲のタイトルが羅列してあるページがほとんどなので、そこだけなんか損した感じ。
【註】「ジャニ萌え度」は、ジャニーズ事務所、およびタレントの素顔や秘話がどれだけわかるかについて、編集部独自に判断した。マンガタイトル下のデータは、「マンガ著者/出版元(発行年)/価格(税込・ただし、消費税導入以前は当時の価格)」を表すものとする。
⇒次回最終回は、いよいよ禁断の”同人誌”の世界に迫る!
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