追及・美容整形疑惑! あの浜崎あゆみの顔が気になる
――美人でない人=外見オンチが、「美の格差社会」の中で、自分らしく生き抜くためにはどうすればいいのか? そこいらの美人だけが取り柄のエッセイストには書けない建前抜きの恋愛論。
都営地下鉄「浅草駅」のホームに、浜崎あゆみのデビュー直後の顔写真が出ている広告があって、通り過ぎるたびにずっと気になっていた。立ち止まって見ていく観光客も多く、写真には『1995年 16歳 映画主演デビュー 「すももももも」(バル企画)より』とあって、初々しさも残っていて、愛らしさバツグンだ。
今夏、ワイドショーで、患者がなりたい顔のトップはあゆだとやっていた。美容整形外科医師が「まぶたが薄い、目が出ているのが特徴」と答え、女性ディレクターがあゆの顔になれるか、OGシミュレーションを使って探っていた。
5年前(2003年)の美容整形アンケート「美容整形するとしたら、参考にする芸能人は誰ですか?」(美容整形アンケートの回答者が対象で、総投票数248票)でも、第1位はあゆだった。
浅草駅のホームの写真がきっかけになって、ユニークフェイス代表の石井政之さんに、あゆの「美容整形疑惑」についてネットメディア「MyNewsJapan」で執筆してもらい、編集を担当した。掲載されたMyNewsJapan「浜崎あゆみの美容整形疑惑に迫る」は20万件をヒット。やっぱりあゆの顔は、常に関心事なのである。
石井さんが消えない美容整形疑惑の噂について、元所属芸能プロダクションのパル企画とエイベックスにぶつけると、「あぁ、すみません。浜崎さんの所属はうちではないので、わかりかねます」(パル企画)、「はじめて聞くお話なんですが。逆にどちらから聞かれているんでしょうね?」(エイベックス)と答え、イエスともノーとも答えなかった。
もちろん、そんなこと答える義務もない。
MNJの記事では、「美容整形の女王」の作家・中村うさぎさん、その担当医であゆを見て、実際にすっぴん顔に触れたこともあるタカナシクリニックの高梨真教院長に「浜崎あゆみ美容整形疑惑」の噂の真相について聞いた。
すっぴんのあゆの顔にふれた人の話は貴重だ。
高梨院長は、ペンであゆの写真に線を書き込みながら、鼻の形に変化がないことからプロテーゼ(シリコン樹脂でできた人工軟骨)が入っていないことを説明した。そして、二重まぶたの形にも言及し、「まぶたにメスを入れるような手術(目の形をアーモンド型にする目頭手術)もしていない」と太鼓判を押し、よく言われる目頭切開と鼻の手術は否定した。ただし、「体重が変わった」「埋没法で二重にした過去はあるかもしれない」と指摘している。
「プチ整形をしていない芸能人のほうが少ない」(中村うさぎさん)と芸能界の裏話を語っていたから、よけいにこの「あるかもしれない」が気になるではないか。
メスを使わず、短時間で終わるのが特徴であるプチ整形。二重まぶたには「埋没法」、鼻には「隆鼻注射」、あご注射(ヒアルロン酸)、エラボトックス注射、注射式しわとり(ヒアルロン酸注射)など、プチ整形のメニューは多岐にわたっている。
プチといっても、美容整形にかわりはないと思うのだが、なぜか、プチ整形は美容整形ではないと言いたい空気がある。
浅草駅の看板の写真のように、ぽっちゃりしていて、「埋没法」疑惑もないあゆを想像すると、かわいらしい、近所でも評判の奥さんという感じだ。TOKIOの長瀬とつきあうような、ブランド品がバッチリ似合う女性のイメージはまったくない。顔、容貌、雰囲気でつきあう男のイメージも違ってくるのである。
あゆは、一般人の美容整形のハードルを下げたタレントである。だが、愛らしいあゆでも、キレイ系あゆでも、もとが「外見オンチ」ではないのだから、「外見オンチ」があゆのようになって、「脱・恋愛オンチ」を夢見ると勘違いが始まる。
芸能界、顔だけでは生き残れない。外見も中身も求められる世界の中、あゆはトップを走り続けているのである。といっても、この「中身」というのは、性格や品といった話とは違って、彼女にとっての中身は「歌姫」である。今の顔を活かせない限り、栄光を手には入れられないのである。
11月の連休、浅草駅のホームに昔のあゆの顔を見に行ったら、看板がなくなっていた……残念。
『ayumi hamasaki COUNTDOWN LIVE 2007-2008 Anniversary』
“中身”だけでは、やっていけぬ世界なんですね
山中登志子(やまなか・としこ)
1966年生まれ。編集家。占いスペース「桜」(新宿西口)、「通販あれこれ」経営。お茶の水女子大学卒業後、リクルート「就職ジャーナル」、「週刊金曜日」編集部に在籍。200万部ベストセラー『買ってはいけない』の企画・編集・執筆者。『外見オンチ闘病記』(かもがわ出版)出版後、外見オンチ応援カウンセラーとして活動開始。
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