緑茶の原材料表示にビタミンCとありますが、味は変わらないんですか?
◎鮫肌文殊と山名宏和の「だから直接聞いてみた」
知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問を人気放送作家2人が直撃解決!
緑茶は入れてから時間がたつと変色する。
これは一般常識だと思っていた。子どもの頃、前の晩に入れたお茶は飲むなと、よく言われたものだ。
しかし、最近は、この常識がかなり危ういようだ。というのも、先日、ある番組でお茶の特集をすることになったのだが、その場にいた若手スタッフのうち大半が、時間がたつと緑茶が変色することを知らなかったのだ。
原因はペットボトルのお茶だろう。ペットボトルの緑茶は変色しない。だから、かつての常識も、失われつつあるらしい。
確かに、時間がたっても変色しない緑茶の製造法は、誕生した当時、画期的だったようだ。変色を防ぐのは、お茶に入れられたビタミンCのおかげ。そう聞いたことがある。缶やペットボトルのお茶の成分表示を見ると、ちゃんと「ビタミンC」と書かれている。
だが、あらためてビタミンCの表示を見たとき、新たな疑問がわいてきた。
味は変わらないのか?
ビタミンCのサプリを飲むことがあるのだが、どれもみんな酸っぱい。あれがビタミンCの味なのではないのか。あんな酸っぱいものを入れたら、お茶の味が変わってしまうのではないか。
にわかに気になってきた。
そこで、伊藤園お客様相談室に直接聞いてみた。
『緑茶の原材料表示にビタミンCとありますが、ビタミンCを入れて味が変わらないんですか?』
担当者 こちらはトウモロコシ由来のものを使用していまして、デンプンに変えておりますので、お味のほうは変わらずに大丈夫だということです。
どうやらビタミンCは酸っぱいものというのは、僕の勘違いだったようだ。ひと口にビタミンCといってもいろいろ種類があり、味も異なるらしい。
そして、この後、さらに意外な事実が判明した。
──ビタミンCは緑茶が変色するのを防ぐために入れていると聞いたことがあるんですが、本当にそうなんですか?
担当者 いえ、そのような効果はございません。ナチュラル・クリアー製法という方法で製造しています。それで、この製法は特許をいただいております製法でございまして、それを用いてお作りしています。
特別な製法で、緑茶の変色を防いでいるらしい。そこで、伊藤園のホームページを見たところ、ちゃんと変色を防ぐ製法も載っていた。ティー・ナチュラル製法。残念ながら、電話口で聞いた名前とは違っていた。要は抽出してからペットボトルに充填するまで酸素に触れるのを極力避け、酸化するのを防ぐ=変色するのを防ぐ製法のようだ。
では、ビタミンCが変色を防ぐという話も勘違いだったのかというと、そうでもない。確認したところ、酸化防止のためにビタミンCを入れているメーカーもある。伊藤園だけが例外のようだ。だとすると、どうして伊藤園はわざわざビタミンCを入れているのか?
担当者 お茶の成分に入っていますビタミンのほうが、熱処理をするときにですね、ビタミンは熱に弱いものですから、失われてしまうんですね。で、失われた分を補助ということで入れておりますので。
味が変わらないならそこまで神経質になる必要もないと思うが、そうもいかないのだろう。ビタミンCの信奉者は意外と多いからである。
『緑茶のマーケティング―”茶葉ビジネス”から”リラックス・ビジネス”へ』
お茶の”在り方”も変化しているのね。。。
山名宏和(やまな ひろかず)
1967年、東京にて誕生。放送作家。『行列ができる法律相談所』『ザ!鉄腕!DASH!!』(ともに日テレ系)などを手がける。余裕のある日々。いや、こんな時期に余裕があるのも困るのだが、まあ、この秋はそんな巡り合わせのよう。なので、ブログをまめに更新中。goo公式ブログ『曇り空のかけら』。お暇なときにでもぜひご覧ください。
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