NHK朝ドラ『だんだん』の”キモスカ”石橋がクセになる!
今回ツッコませていただきのは、おなじみNHKの連続テレビ小説。
もはや空気のように、あってあたりまえのようなドラマ枠だったのだが、このほど、この枠の「見直し」が発表された。朝ドラそのものがなくなっちゃうのか、半年一区切りを3カ月区切りにするなどにするのか、その行く先はまだ分からない。
来年放送予定の次作『つばさ』では埼玉県が舞台ということで、47都道府県すべてを網羅したということも一応理由にしているが、近年続く低視聴率も、伝統ある朝ドラとしては見過ごせない現実だっただろうことは否めない。
さて、現在放映中の朝ドラ『だんだん』。ここに登場する、石橋というレコード会社のスカウトマンから、目が離せなくて困る。
ストリートミュージシャン・めぐみ(マナ)と、祇園の舞妓・のぞみ(カナ)が、松江城前で偶然2人で「赤いスイートピー」を歌った場面を目撃し、双子ならではのハーモニーに惚れ込んで、双子デュオデビューに向けて奔走するといったところが、石橋の役回り。
ドラマ内での役割りは置いといて、この石橋、なぜかいつも傾いている。キメ角度なのか、身体のバランス悪いのか、小首をかしげながらセリフを言うことが多く、とにかく傾いている。そこがまず気になってしかたない。
顔もイケメン系なのかもしれないが、眉の濃さとその眉とまつ毛の長い目との距離感などから、どこかしら「きれいな小島よしお」にも見えてしまうことも、気になるポイント。
そして、唐突に出現し、現れてはクサいセリフをのたまっていくのが、最も気になるポイントだ。
初登場時には、ストリートで歌うめぐみの眼前に、ビデオカメラを回しながら「近い、近い!」と、思わずテレビに言ってしまったほどの、変質者ばりの大接近。
あまりにキャラのたった存在に、放送1週目にして2ちゃんねるの「ドラマ板」では「キモいスカウト」、略して「キモスカ」というステキな愛称が定着してしまっている。
この「キモスカ」、別の日には、松江城に登って落ち込むめぐみの携帯に電話をかけてきて、「キミの声が寂しそうだったから」と、携帯をかけながらの登場。そのとき、泣いてるめぐみを、何も言わずにギュッと抱きしめる。それに憤慨されたときに、のたまったセリフ。
「泣いてる女の子には、チョコレートをあげるか、抱きしめてあげるか。どっちかなんだ」
我が家では、夫婦で「ギャーッ!」と、声を揃えて大爆笑してしまった。キモスカ節、サイコーである。
10月23日放送回では、生き別れだった双子が出会ったことで、周囲に大きな混乱を招いてしまったことから、二人はもう会わないほうがいいと電話で告げためぐみに、「キミたちは出会ってしまったんだ」と、ロマンチック石橋。そして、どうしたらいいのか分からないと悩んでいると、最後に出たトドメのセリフが、コレ。
「僕がきっと、教えてあげる(携帯も傾きぎみ)」
ステキ。「もーう、なんでそんなに気持ち悪いの~」という、ザ・パンチのツッコミが欲しくてたまらなくなるカッコよさだが、生き別れの双子の運命という、韓流か東海テレビ、もしくは大映ドラマかといったベタに、さらに少女マンガ的な違うベタを持ち込むことに成功したスカウトマン・石橋。彼が登場することで、全部空気をもっていってしまうので、重たくなりがちな展開のなか、ある意味清涼剤にもさせてもらっている。
今のところ、週に1、2回ぐらいしか登場しないのもミソで、少しヒキの絵があったりすると、「どこかから登場するんじゃないか」と、期待もしてしまうように。
いつの間にかキモスカ不足、石橋中毒のようです。
(太田サトル)
思えば、この作品からNHKの迷走が始まったような……。
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