木村多江は魔性の女? オンナに嫌われる理由とは……
今日ツッコませていただくのは、10月16日放送分のNHK『スタジオパークからこんにちは』。
ゲストは、女優の木村多江で、NHKらしからぬサブタイトル「薄幸女優と呼ばれて」がノリノリに掲げられていた。
NHKらしからぬ、と言ってみたが、実はこの番組、日ごろから自由さに定評があり、この日は、彼女のこれまでの「不幸役遍歴」が年表でまとめられていた。
「流罪」「事故死」「溺死」……見事な不幸ワードの羅列を見ながら、「年に8回くらい、写真にこう、黒いリボンがかけられて(笑)。でも、こういうイメージなんだろうなあと。キャハッ」「どんなに小さな役でも、考えてしまうんです。なぜ幽霊になっちゃったのかとか(笑)」「日本一の薄幸女優を目指します」
意志の強さを感じさせる口調、口を隠すように、丸めた手をあてて笑う姿は、不幸役のイメージとはずいぶん違う。司会の竹内陶子アナに「妖精のよう」といわれていたが、うっかりすると、昔のブリっ子のようでもあり、ちょっと不思議ちゃんにも見える。
でも、司会の稲塚貴一アナは、いつになくハイテンションで異様にノリノリだった。そんなやりとりを見ながら、ふと思い出したのは、『救命病棟24時』などで徐々に有名になってきた2001年頃、ネットの女性用掲示板で見かけた、こんな声である。
「私は木村多江という女優さんがどうしても嫌いです」
当時はまだまだ脇役だったはずなのに、そこには、女性たちの賛同のレスが多数ついていた。大役をやっているわけでもなく、目立つわけでもないのに、女性が嫌う理由って……?
だが、掲示板で目立ったのは、「どういうわけか嫌い」と、はっきりしない理由を書きつつも、「夫はなぜか好きらしいが、私には全然わからない」といった類の声だった。
つまり、その「幸薄さ」はことごとく男を虜にしてしまうことを、女性たちは本能でわかっていて、「どうしても嫌い」と口を揃えるのである。
こういうことって、学生時代、クラスでもよく見られた光景ではある。薄幸そうで、はかなげに見えて、その実、誰よりも強い女性。男ウケは抜群だが、同性にはどうも嫌われる――彼女の放ったこんな一言への二人の司会者のリアクションが、それを際立たせていた。
「表現したいものがたくさんあって、吐き出さないと、どんどんたまっちゃう(笑)」
目をシパシパさせる陶子アナ。にやにや見守る稲塚アナ――。
ちなみに、『上海タイフーン』に主演していた彼女、いつになくよく笑い、たくましく生きる役柄だったが、その役柄について語ったこんな一言が、実に印象的だった。
「人って、すっごく笑い、泣くときは、けっこうブサイクな顔してて、でも、それが人間らしくていいなあって」
さすがの天然爆弾。日ごろから妖精のように微笑み、周りの人の喜怒哀楽を「ブサイクだなあ。キャハッ」と思いつつ見ているのか……。そんなことを感じてしまう自分も、きっと木村多江の魔性の魅力に嫉妬している一人です。
(田幸和歌子)
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