カカア天下、放浪、●漏……悲しすぎる雄ライオンの人生
今日ツッコませていただくのは、9月29日、NHK総合で放送された『NHKスペシャル 悲しき雄ライオン~王交代劇 9年の記録~』。
「雄ライオン」の形容として、「悲しき」を用いるセンス、なんて斬新なんだろうと思い、観てみると、そこには予想以上の「悲しさ」が描かれていた。狩りをするのは主に集団のメスで、雄は先に餌を食べ、その残りをメスや子供たちがもらう……などと、亭主関白なイメージを持たれがちだが、実は2歳くらいになると群れを追われ、「放浪オス」になり、死肉を食らってひもじく暮らすという。
さらに、王を決めているのも、実はメス。王候補のオスたちは、雌に値踏みされ、ひたすら気をひこうと努力する。そして、メスに気に入られなければ、また「放浪オス」にならざるを得ないという、まさに「悲しき運命」なのだった。
そんな悲しい雄ライオンの様子を伝えるナレーションも、実に静かでわびた雰囲気なのだが、ふとあらわれたテロップは「ナレーション/世良公則」――。
悲しい。なんとなくだけど……わざとだろ? そんなことを感じていたら、さらに悲しい出来事が。
ようやくメスに選ばれ、「王」たる証を見せつける最大のクライマックス「交尾」の場面、カクカクカク~バタッ……。ビックリするほど「早すぎる!!」のだった。
まさに、あっちゅーまの出来事。これまでの長い長い苦労の末の「栄光」が、コレとは。この衝撃、やはり視聴者に与えたインパクトは大きかったらしく、2ちゃんねるの実況版では「早漏すぎwww」「早すぎwww」などの声が溢れ返っていた。
やっとのことで「王」になり得た最高の瞬間に、「早漏」呼ばわりされてしまった雄ライオン。NHKがそこまで計算していたのかは定かではないが、本当に「悲しき雄ライオン」なのだった……。
(田幸和歌子)
『ライオン・キング ミュージカル [Cast Recording]』
しんぱぁ~いないさぁ~~~♪
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