サイゾーウーマンカルチャー女性誌レビュー血液型診断も!? 「婦人公論」が離婚問題にあらゆる方面から切り込む! カルチャー [女性誌速攻レビュー]「婦人公論」11月22日号 血液型診断も!? 「婦人公論」が離婚問題にあらゆる方面から切り込む! 2010/11/10 16:30 女性誌速攻レビュー婦人公論 「婦人公論」(中央公論社)11月22日号 「婦人公論」は1916(大正5)年、「自由主義と女権の拡張を目ざす」ことをコンセプトに創刊されました。そのコンセプトが脈々と、「ベニアズマでひとりエッチ」まで受け継がれていくわけですが、それはまあいいとして、そこはかとなく「夫サゲ」な雰囲気が漂っているのも源流はそこにあるように思われます。自由主義=婚姻制度に縛られない生き方、女権の拡張=夫に縛られない生き方。性の解放は明るく笑えていいのですが、こっちの解放は男性にとって笑えない話。「婦人公論」に女性たちが感化されたら、夫としての男は必要なくなる……!? なんて心配になってしまいます。今号は、そんな「婦人公論」の核弾頭、「離婚」がテーマです。 <トピック> ◎特集 決意したあなたに贈る離婚講座 ◎林葉直子 将棋界復帰の夢叶わず、DV被害にも苦しんで ◎写経・読経・座禅でこころを磨く ■離婚問題はおまかせ! 特集のトビラを開くと、まず作家・島村洋子の文章。浮気をして夫と別れた経緯(というか100%言い訳)が書いてあります。「正直な人間で正直な作家でいられますように、と私は希(こいねが)っている」ですって。「正直」って便利な言葉ですよね。そう、「婦人公論」では自分の欲望に正直なことがいちばん。自分第一、正直第一。ここでばっちり自己肯定感を強くしたところで、次のページに行きます。夫婦問題研究家・岡野あつこによる「泣かないための離婚塾」。離婚における金銭問題や住宅問題について、とても実用的な解説がなされています。たとえば、 実際の交渉の場において、法律を振りかざし、「これだけ請求します」と主張したり、「支払うのが当然でしょ?」と責め立てるのは逆効果。夫に「支払わなければ」と思わせる作戦でいくのです。そのためにはか弱い女を演じ、情に訴えかけることも必要です。たとえば、「今の私はあなたに頼るしかないの。子どものためにも、しばらくの間だけ、面倒をみてもらえないかしら」。 (離婚後もマイホームで暮らすために)自宅の鍵を替える手もあります。(中略)当然、相手に「なぜ、鍵を替えた?」と責められますが、「なくしてしまって。最近物騒でしょう、怖かったの。勝手に替えてごめんなさい」とお茶を濁します。 と戦略的です。なるほど、ただ声高に権利を主張するのは大昔の話。現代の女は、本能に正直に生きる牝と、社会的に守られるべき弱者を巧みに使い分けて生きるのです。とても参考になりますね。参考になるなると思っていたら、数ページ先には「血液型で診断 上手に別れを切り出す方法」なんて企画が組まれていました。この期に及んで血液型診断とは……。”あんまりガツガツするのもイヤだから、女子っぽい夢見がちな視点も入れてみました!”的なバランスの取り方が返って薄気味悪いです。しかも、そんなファンシーな企画の中でも、「多少の芝居も必要」「『このままだと私はダメになってしまう』など同情を買うようなセリフで相手に頼るのが正解です」といった、夫だましのアドバイスが折り挟まれていました。正直だったり、戦略的だったり、ファンシーだったり、実利的だったり、全方位から攻めてくる「婦人公論」の恐ろしさをまざまざと見せつけられた特集でした。やっぱり離婚問題は「婦人公論」だね! ■ゲエゲエ吐きながらセックスを…… 林葉直子インタビュー「将棋界復帰の夢叶わず、DV被害にも苦しんで」。失踪、豊胸手術、ヘアヌード、不倫暴露、自己破産……と出てくるたびに話題をふりまいている元プロ棋士の林葉直子。毎回ふりまく話題がヘビーすぎて、世間をドン引きさせている感があるのですが、今回も、ストレスからお酒に頼るようになってしまったことや「中年のアジアの人」から受けた壮絶なDV被害を告白しています。 私が(朝から酒を飲んで)気持ち悪くなってゲエゲエ吐いている最中にセックスするんです。「やめて、気分悪いんだから」と払いのけてもレイプ同然で。 椅子に座っていたら、ポーンッと椅子ごと蹴られ、私、思い切り倒れて、背中打って、頭打って。内出血ができるほど、腕を掴まれ、殴られて。(中略)またお酒飲んでのセックス。 写真を見るとげっそりやせ細って、めっきり老けてしまったように見えます。このインタビューはDVの彼から逃げて3日目、身を隠しているホテルで行われたそうです。”今、振り返って告白”ではなく、モロ現在進行形。「……なんで、私、ヘンなのばかりとつき合っちゃうんでしょう(笑)」と笑っていますが、笑いごとじゃない! 公式ブログには「いろんな経験が、タロットや小説の役に立つように頑張ります」と前向きなメッセージが書かれていました。誰もコメントを入れていないというところが(11月9日現在)、悲しいです。 ■仏の道も商いの道へ これまでの罪を悔い改めよといわんばかりに「写経・読経・座禅でこころを磨く」という特集が組まれています。中でも「写経」は今、若い女性にも人気のようです。ふーん、まあ悪い趣味ではないよね……と思ったら、最後のほうは、「婦人公論」でおなじみ瀬戸内寂聴さんの写経セットの宣伝みたいになっていました。「ふたを取ると、筆置きとクリスタルの文鎮がおしゃれだし、小さな水差し、セットになった鉄古美の小匙は心憎いばかり」とかなんとか誉めまくり。この写経セットは「婦人公論」の通販サービス「婦人公論collection大手町モール店」で購入可能だそうです。なんだそりゃ。 ここ何回か、セックスの話題があまりないのは、12月1日に40代以降の性をテーマにした別冊「快楽白書2011」の発売を控えているからにほかなりません。でも性の話題がないと、必然的に笑える要素も少なくなります。離婚とかお金とかDVとか……重いっ。その重いテーマに正面から切り込んでいく「婦人公論」にこうしてちゃちゃを入れつつ敬意を表しつつ。でも、やっぱりそろそろオモシロネタが恋しいな……と思いつつ。そんなときは、公式サイトの編集長コラムです。今回は釣り船で起きたもんのすごいエピソードが紹介されていますので、ぜひご一読を。 (亀井百合子) 『婦人公論 2010年 11/22号』 林葉さん、成長しないね…… 【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】 ・「洗わずに口に含む」…… 愛人たちが「婦人公論」で赤裸々告白 ・「歯ブラシの柄で喉を突いた」、柳美里が「婦人公論」で息子との”付き合い”を激白 ・江原啓之が「婦人公論」のセックス相談室で読者に非道なアドバイス 最終更新:2010/11/10 16:30 次の記事 保湿クリームとしても重宝! ワセリンで簡単に作れる練り香水がおススメ >