美容整形外科医に聞いてみた

古くから伝わる美容都市伝説 「鼻をつまむと高くなる」って本当なの?

2009/11/14 17:00
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お鼻リフォーマーHanaHana
(株式会社グッズマン)

 美人を形成する上で、”高い鼻”は絶対的に欠かせないパーツ。したがって日本人に多い”低い鼻”は女性にとってコンプレックスになりやすく、鏡を見ながら「私の鼻がもう少し高かったら……」と物思いにふけっている人も多いことだろう。そんな悩みを抱える人が、一度は望みを懸けてしまいそうになるのが、次の美容都市伝説だ。曰く、「鼻をつまむと高くなる」――。

 事実、筆者も多感な思春期の頃に鼻の低さを気にして、鼻を洗濯バサミで挟んで高くしようと目論んだことがあったのだが、痛さに負けて結局断念してしまった覚えがある。今では「そもそもそんな原理で鼻が高くなるなんて有り得ないよね」と笑い種にしていたのだが、先日立ち寄った大手ドラッグストアで、衝撃的な商品を発見してしまった。

 まるで洗濯バサミのような形状をしたそれは、「お鼻リフォーマー HanaHana」(株式会社グッズマン 実売価格/840円)。「お鼻高々 プチ整形」とパッケージに書かれた謳い文句通り、一日20分間それで鼻を挟むだけで鼻が高くなるという、例の都市伝説に基づいた美容器具だったのである!

 調べてみたところ、ギャルファッションで有名なプロゴルファー・金田久美子も自身のブログで同器具を使っていることを写真付きで報告しているなど、思いのほかに愛用者は多い様子。もしかすると、「鼻をつまむと高くなる」という美容都市伝説は、あながち嘘ではないのかもしれない……。そこで、東京・巣鴨の美容外科「ヤスミクリニック」の木村知史院長に意見を伺ってみた。

「発育段階にある子どもがそのような器具を毎日使うのであれば、効果は期待できます。しかし、鼻の骨や軟骨が完成してしまっている成人が同じように使っても、ほとんど効果はないと言って良いでしょう。ただし、半年以内に鼻の整形手術を受けた人なら別。術後半年間は、外部から力を加えると形が変わりやすいのです。よって、完成形に落ち着く前なら、多少の効果はあると思いますよ」(ヤスミクリニック・木村知史院長)

 特異な例外はあるものの、やはり「鼻をつまむと高くなる」という説は、医学的に見て正しいとは言えないらしい。ちなみに昨今の美容整形業界では、どんな鼻が流行っているのだろう?


「『鼻先を下げる』『鼻の穴を見えなくする』という2点を望む女性が7~8年前から増えており、個人的には浜崎あゆみさんによる影響だと考えています。人気女性ファッション誌『小悪魔ageha』(インフォレスト)を見ても、浜崎さんのような鼻をしたモデルが非常に多い。私が美容整形の診療を始めた約20年前は、鼻先を上げる『アップノーズ』の手術を希望される女性も多かったので、美意識とは変わるものだとつくづく実感しています」(同)

 木村院長によると、鼻先を下げる「降鼻術(シリコンプロテーゼ)」に掛かる一般的な費用は18~32万円ほど。より高度な「降鼻術(耳介軟骨併用)」になると、それに25万円ほど加算されるという。どうしても”あゆ鼻”になりたいなら、検討してみるのもアリかもしれない。
(アボンヌ安田)

木村知史(きむら・ともふみ)
1960年生まれ。「ヤスミクリニック」院長。美容外科学会・整形外科学会専門医。美容整形にまつわるよもやま話をつづったブログも人気。

HanaHana ハナハナ

ブタっ鼻が美しいとされる時代まで待てない!


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最終更新:2020/02/04 18:10